だーまんのブログ

東京大学を経て、帰国子女にも関わらずドメスティックな不動産業界へ。人生で大切なことは全て本と映画から学ぶ。複数の収入源を持ちながら、海外との二重生活を目論む20代。本や映画のこと、節約術、不動産の話、受験のコツ、自己啓発など幅広く発信していきます。

『夜行観覧車』(著:湊かなえ)から、兄弟2人を公立高校から東大に入れた両親の教育方針を考える。

最近、僕の中のブームになっている湊かなえ。

今回は、『夜行観覧車』を読んだ。

 

夜行観覧車 (双葉文庫)

夜行観覧車 (双葉文庫)

 

 

おおまかなあらすじは、こんな感じ。

ある二つの家庭の物語。

マイホームに対する憧れが強すぎて、大切なものが見えていない母親と、

母親の勧めで受験をしたものの失敗し、それから卑屈になってしまった娘と、

事なかれ主義の父親と。

家族3人で暮らす遠藤家。

かなりの無理をして、高級住宅街である「ひばりヶ丘」に引っ越してきた彼ら。

そのため、家の大きさは他の家庭の3分の1程度。

週に1回は起こる娘の癇癪は、閑静な高級住宅街中に響き渡っている。

 

その向かい側に、遠藤家の3倍はある大きな家に住んでいるのが、高橋家。

お父さんはお医者さん、お母さんは美人。

三人兄弟のうち、長男は医学部の学生、長女は遠藤家の娘が落ちた私立女子中に通っており、さらに次男は顔立ちイケメン、運動もでき、有名中学校に通っている。

そんな、一見理想的に見える家庭で、事件は起きる。

高橋家の大黒柱が、奥さんによって殺されてしまう。

 

一体、幸せそうな家庭内で何があったのか?

残された家族は、これからどうやって生きていくのか?

 

それぞれの家庭に加え、ひばりヶ丘の昔からの住人、野次馬的な小島さと子というおばあちゃんの3者の視点から物語は進んでいく。

そして、徐々に明かされていく事件の真相・・・

 

そこから先はネタバレになるので、今回は伏せておくとして。

 

読んでいて一番に思ったことは、

「一歩間違えたら、どこの家庭でも起こり得る話である」ということ。

 

 

自分の家庭でも振り返ってみた。

 

僕も弟も、実は仮面浪人している。

結果的に2人とも、仮面浪人の末に東大に受かったが、

2人とも受からなかった未来もあったかもしれない。

 

先日たまたま実家に帰る機会があったので、両親に聞いてみた。

 

僕「今は兄弟で東大ってことで、周りからすごいとか言ってもらえるけど、

もし、弟と僕が受験に失敗して、仮面浪人した大学に通い続けたら、

2人(両親のこと)の僕らに対する思いとか見方って、変わってた?」

 

両親「全然(即答!!)」

 

「なんでそんなこと聞くの?」という顔をしていた。

僕自身も、きっとそんな返事が返ってくるだろうと、密かに思っていた。

 

 

『夜行観覧車』の中の大きなテーマとして、

”親の、子供に対する多大なる期待”がある。

しかも、かなり親のエゴの入った”期待”である。

 

遠藤家では、有名私立女子中学校に行かせたかった母親がいて、

高橋家では、夫と前妻との間の子供が医学部へ行ったのに負けないよう、

自分との間の子供も、同じ医学部へ行かせたかった母親がいた。

 

 

そこで、続けて聞いてみた。

(『夜行観覧車』のあらすじを話した上で)

 

僕:「僕らに対して、どんなことを期待していたの?」

両親:「期待ねー。

確かに、最初は期待してた。可能性はつぶさないようにしようと思ってた。

特に長男(僕のこと)で、初めての子育てで何もわからなかったから、

やることは全部やらせてあげようと思った。

たとえば、ゴミを散らかしても、そこから何か得るだろうと思って、好きにやらせてみたり。

だから、物語の母親の気持ちもわからなくはない。」

 

 

両親:「だけど、下もどんどん生まれてきて、そんな場合じゃなくなったのもあるけど。

一番に思っていたことは、自分たちがどうこうというよりも、本人が『やりたい!』と思ったことは、全てやらせてあげようということ。

それがバスケだったら、思いっきりバスケできるようにさせてあげたかったし、

勉強だったら、好きなだけ勉強させてあげられる環境を作ってあげたかった。」

 

両親:「そこのいい按配ってのは難しいんだけど、あまりこっちから何かを期待することはなかったかなー。

元気で、友達がいて、やりたいことやって、楽しそうにやってくれていたらそれで嬉しかったな。」

 

 聞いていて泣きそうになった。

 

 

確かに、僕は今まで、両親に何かを強要されたことは一度もなかった。

兄弟がどんどんふえていったので、そんなに丁寧に構っている暇がなかったのもかもしれないけれど。

基本的には、友達の影響とかもあったけど、

「自分がやってみたい!」という判断軸で、生きてきた。

そして、両親もそれに反対するようなことはなかった。

 

レベルの高い高校にチャレンジしたこともそうだし

わざわざ仮面浪人したことだってそうだし、

大学に入ってまで、部活やったことだってそう。

 

 

あと、その話で一つ思い出したのは、

小学生の頃、通っていたテニススクールの話。

 

テニススクールは、普通のコースだと月に4回のレッスンで月謝6500円くらい。

だけど『テニスの王子様』という漫画に出会い、本気でプロを目指したくなり。

プロ養成コースみたいなコースに行きたい、と親に直訴した。

試験があるのだが、それに合格すれば参加できるクラス。

それは、練習が週に3回、月謝は約3万円。

 

たかだか子供の気まぐれだったし、プロになるかもわからないのに、

試験に合格した僕に、親はすんなりオッケーしてくれた。

 

結果的に身は出なかったし、怪我もあって途中でやめてしまったけど、

あそこでチャレンジできたことそのものが、自分の中で大きな自信になった。

テストにパスしたこともそうだし、そういう環境でテニスをしたこともそう。

努力すれば、ある程度形になるって学べた。

 

逆に、その時チャレンジできてなかったら、

今でも、その時チャレンジできなかったことを、後悔していたかもしれない。 

 

 

両親のそういう教育方針のおかげで、僕はここまで好き勝手に、のびのび育ってこれたのだ。

 

同じようにやれるかはわからないけど、

僕もいつか、子供ができた時には、

本人がやりたいと思ったことは、全てやらせてあげられる自分でいようと、

改めて心に決めた。

夜行観覧車 (双葉文庫)

夜行観覧車 (双葉文庫)