だーまんのブログ

東京大学を経て、帰国子女にも関わらずドメスティックな不動産業界へ。人生で大切なことは全て本と映画から学ぶ。複数の収入源を持ちながら、海外との二重生活を目論む20代。本や映画のこと、節約術、不動産の話、受験のコツ、自己啓発など幅広く発信していきます。

『禁断の魔術』東野圭吾/自分の教え子が容疑者に・・そのときガリレオの取った行動とは?

探偵ガリレオシリーズ『禁断の魔術』を読みました!

 

多くを語らないが、いつも事件の数歩先までお見通しのクールな探偵・ガリレオこと湯川学。

今回は、なんと彼の教え子が容疑者に!

教え子が事件に巻き込まれる中で、湯川は何を考え、どう動くのか? 

クールな探偵の、人間らしい一面が見える作品です。

 

この記事では、

●30秒でわかる簡単なあらすじ

●この作品の2つの魅力!

について書いてます。

 

なお、物語の結論には触れませんが、多少のネタバレはありますので未読の方はご注意ください。

 

30秒で分かるあらすじ

ホテルのスイートルームの一室で、女性が死体となって発見されます。

彼女の名前は古芝秋穂。

湯川の教え子・古芝伸吾の姉でした。

彼女は、ある大物政治家担当の記者をしながら、早くに両親を亡くした伸吾の親代わりとなっていました。

 

その事件の少し後のこと。

あるフリーライターが、自室で殺されているのが発見されます。

彼は、秋穂が担当していた大物政治家・大賀のスキャンダルを暴こうとしていたことが判明します。

 

バラバラに起こったそれぞれの事件。

しかし、フリーライターの死後、古芝伸吾が突然失踪します。

 彼の身辺を探り始めたところから、少しずつ事件の全体像が明らかになっていきます・・・

 

自分の教え子が容疑者になった湯川は、何を考え、どう行動するのか?

最後に明かされる衝撃の真実と、湯川の教え子に対する想いに、涙必至の物語です。

 

少しずつ繋がっていくバラバラな出来事

この物語は、一見バラバラに見えた出来事が、少しずつ繋がっていくところが醍醐味です。

物語の冒頭、

「古芝秋穂の死」

「フリーライターの殺害」

「不審な爆発・発砲などの怪奇現象」

といった出来事が、入り乱れて書かれています。

数ページの章ごとに登場人物は入れ替わり、全く繋がりが見えてきません!

 

しかし、フリーライターの死後、突然古芝伸吾が失踪します。

この出来事が引き金となって、少しずつ真相が明らかになっていきます。

 

ところで、この物語はもともと短編集の一つだったそうです。

それを、大幅な加筆・修正をしたのが本作。

おそらく、それが冒頭のカオスな展開に繋がっていると思われます。

 

しかし、それが逆に読み手の好奇心をくすぐります。

なかなか繋がっていかない出来事にイライラしながらも、先が読めない展開にドキドキします。

伏線が回収されていくごとに、まるで“アハ体験”のような感覚を味わえる物語です。

 

湯川の教え子に対する想い

物語の中で、事件と同じく重要な軸となるのが、湯川と彼の教え子の関係です。

 

古芝伸吾は、湯川の高校の後輩です。

2人が繋がったのは、ささいなきっかけからでした。

 

古芝の所属する物理研究会は、年々部員が減り続けています。

廃部の危機から救うため、彼は高校の OBたちに協力依頼の連絡をします。

湯川は、そのうちの1人でした。

 

古芝の願いを聞いた湯川は、協力を快諾。

次回の新入生歓迎会に向けて、2人で壮大な装置作りに取り掛かります。

湯川は、古芝に自分の知識を余すことなく教えます。

 

結果的に、装置の作成に成功し、それを披露したことで新入生の勧誘もうまくいきました。

 

ささいなきっかけでしたが、湯川との出会いで物理の面白さに目覚めた古芝は、湯川と同じ帝都大学に入学します。

 

しかし、彼は姉の死をきっかけにわずか数ヶ月で突然退学。

その後、機械工場で真面目に働いていましたが、失踪したことでフリーライター殺害の疑いをかけられてしまいます。

 

古芝の無実を信じて疑わない湯川。

しかし、別の懸念が浮かんできます。

 

古芝が、

「湯川が伝授した科学の知識を活かし、姉を死に至らしめた人物に復讐しようとしている」

ということです。

 

教え子に知識を教えたことが、結果的に人を殺めることになった湯川。

科学の素晴らしさを伝えたはずなのに、結果的にそれが悪用されてしまう。

自分が熱心に教えたばっかりに・・ 

 

物語の最後。

復讐を遂げようとする古芝と、湯川は対峙します。

その時、湯川のとった行動とは?

彼の、教え子に対する想いとは?

  

油断して読んでいたら、不覚にも涙が流れてしまいました。

他人には興味がなさそうな湯川でしたが、彼にも隠れた想いがあったのです。

「教え子に対しては、こういう想いを持っていたい」

そう思わせてくれる結末でした。

 

ガリレオの後継者現る?

今のところ、これが最後のガリレオシリーズになっています。

続きが登場しない限りは、“最後の”物語です。

 

他のガリレオシリーズを全て読んだ訳ではありません。

しかし、最後としてある意味納得の作品でした。

 

人には無関心だと思われていた湯川学。

しかし、少なくとも1人の教え子には、彼の想いが伝わりました。

 

その後の古芝君は描かれていないので、彼がどうなるかは想像するしかありません。

しかし、彼は湯川と負けず劣らずの科学好きです。

 

いつか事件に巻き込まれた時、ガリレオのように、あっと驚く方法で事件を解決してくれるのではないか?

彼が、湯川学のDNAを継ぐのではないか?

そんな淡い期待を抱かせてくれる終わり方でした。 

 

展開も早く、2日くらいで読めました。 

湯川学の人間的な一面を見れる作品です。

未読の方は、ぜひ手に取ってみてください! 

 

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