「〇〇までにしなければならない100のこと」というタイトルの本は、本屋さんにたくさん並んでいる。
しかし、その中で先駆者となった本(と、勝手に思っている)が、こちら。
ぼくは、大学時代にこの本を読み、大変感銘を受けた。
著者は早稲田大学文学部に入り、卒業後は博報堂に就職。
数年後に自身の事務所をつくり独立。
今では作家・講演家などとして活躍、書いた本は1000冊近くある。
この本と出会ったことで、僕の大学生活はとんでもないものになってしまった。
著者の大学時代は、やっぱりとんでもなかった
そもそも、著者はどんな大学生活を送っていたのだろうか。
・通学時間がもったいないから、大学の真裏に住む
・映画監督を目指していたので、月に映画を100本観る
( 年ではありません!月に!1日300本計算!)
・脚本を月に1つ書く
・大学の友人は1人だけ
・すべての授業は、一番前に座って、誰よりも真面目に受ける
・時間の無駄ということで、仕送りだけで生活
そんな4年間を送ったそうだ。
なんとストイックな大学生活だろう。
しかし、結果的に、大学時代に死ぬほどやったことが、
その後、彼のキャリアに大きく影響を及ぼすことになる。
結果的に、やっていたことは一つも無駄になっていなかった。
この本に書いてあることは、
「良い就活をするための大学時代があるのでなく
夢を叶えるための大学時代があるだけだ」
ということなのだ。
大事なことは、量よりも質
中谷さんが月に映画を100本も観たのは、まずは量をこなすため。
あの黒澤明は、どんなに酔って帰ってきても、机に向かって脚本を一枚書いたそうだ。
あのダヴィンチは、1日3つくらい作品を作っていた。
あのビートルズだって、最初の頃は1日8時間くらいの演奏をほぼ毎日やり続けていた。
なんでも、10000時間やればその道のプロになれるという1万時間の法則がある。
1日3時間を毎日続けたとして、やっと3年で10000時間。
映画は1本2時間程度なので、月に100本=200時間。
4年間=48ヶ月続ければ、9600時間。
プロになるために必要な10000時間を、彼は大学4年間のうちに到達していた。
結果的に、目指していた映画監督にはそのままならなかったそうだが、
今でも、映画に関わる仕事をしているという。
師匠に出会えたか?
成功した人の統計を取った時に、
「大学時代までに、人生の師匠と出会っている」
ということがあるそうだ。
これは、ただ良い出会いに恵まれた、ということ以上に、
「師匠と呼べる人のいうことを聞ける、素直さがあるか?」
ということだ。
中谷さんは、大学時代に師匠と呼べる教授と出会った。
そして、履修していない授業に潜り込んでまで、
その人の授業のノートはすべて取った。
ギャグまで含め、一言一句逃さずノートに残している。
モノマネができるくらい、その人のエッセンスを吸い取ったという。
そして後に、その方と再会を果たした時に、
「結局、一番大切なことは何でしょうか」
と、質問したそうだ。
先生の答えは、
「畢竟、独学に勝るものなし」
つまり、
「結局、独学に勝るものはない」
とのこと。
そのスタイルを、先生から学んだのだった。
著者を真似したことで、普通の大学生活とは縁がなかった ?!
こんな本に大学に入る前に出会ったしまったものだから、
僕の大学は普通ではなかった。
・1時間の通学時間は、必ず本を読む
・毎日、何かしらを書き記す習慣をつけた(脚本を書く代わりに)
・薄いつながりの友達は作らない
・アルバイトする時間があったら、自分の勉強の時間にあてる
(なので、バイトは本当にお小遣い程度にしかやってなかった)
・部活に精を出し、チャラチャラした(と、思っていた)クラスやサークルに入っている人とは距離を置く
飲みや合コンに顔だしたり、
ただダラダラする時間を作ったり、
居酒屋で朝までたわいもない話をする時間をつくったり、
まったり旅行に行ってみたいり。
そんなことはほぼなかった。
かなり変わったやつだったし、少し後悔もあったけど、
今から思うと、そのおかげで変わった出会いもたくさんあったし、
学べたこともたくさんあった。
その中で、著者:中谷さんにも、
彼の講演会を通して、実際にお目にかかる機会ができた。
学生であることに対して、かなり悶々としていたが、
情熱はあり、たくさん考えていた。
その時に、日々書きまくっていたことや、読んでいた本や、出会った人が、
今の自分のベースを作ってくれている。
当時はまだブログはやっていなかったが、
同じようなことを、当時からやっていた。
まだ何者でもない大学時代に、
何者でもないからこそ、思いっきりやっていたことが、
今、こうして繋がっていると感じる。
大学時代に、この本に出会えたことで、
普通でない大学生活を送れたことに、得られたものはたくさんあった。
ぜひ、これから大学生活を迎える方へ。
もしくは、いま大学生活の真っ只中で、悶々としている方へ。
扉を開くヒントが、たくさん詰まった本だ。