FPのだーまんです。
前回こちらの記事で、保険はお金を失いやすい仕組みであり、基本的に不要である、ということを書いた。
保険の還元率は、ほとんど競馬より悪く、ものによっては宝くじより悪い。
どういうことか簡単に解説すると、還元率とは、我々が払ったお金に対して、保険会社が支払ってくれるお金の割合。逆の言い方をすると、胴元の取り分がどれくらいかということだ。
保険会社も企業である以上、利益がないと存続できない。
そのため、我々が支払った保険料の中から、自分たちの利益や維持費を賄い、その余ったお金の中から、保険金を支払っている。
その取り分が、宝くじ協会や競馬の JRAよりも多い場合があるという話。
保険が分の悪い悪い投資だということはわかった。
だけど、「万が一のことが、もし本当に起こってしまったらどうするのか?」という疑問が聞こえてきそうだ。
そこで今日は、そうなった場合にどうなるのか、ということについて書いてみる。
実際に、身内に不幸が起こっても、保険はいらない?
実際に一家の大黒柱が亡くなっててしまったら?
保険に入ってないと、どうしようもなくなるのでは?
どうなるのか、ものすごく簡単にシミュレーションしてみる。
(今回は詳しい数字等はいったん置いておいて、シンプルな概要だけに絞る)
まず、平均的な家庭だと想定して、子供2人の4人家族を想定してみる。
ご主人はサラリーマン、奥さんはパート程度の主婦。
この中で、ご主人が主な働き手だとすると、保険に入る必要があるのはご主人だけ。
(保険に入るか否かで考える時は、
「自分が亡くなることによって、経済的打撃を受ける人はいるだろうか?」を基準に考える。いなければ、自分が亡くなっても困る人はいないのだから、基本的に入る必要はない。)
さて、ご主人が亡くなったとして。
残され奥さんと子供2人は、どうなるのだろうか?
路頭に迷うので、保険に入ってないといけないのだろうか。
ご主人が亡くなった時にもらえる保障
サラリーマンのご主人が亡くなった場合、勤めていた会社から支給されるものがあります。
それが、
「遺族厚生年金」
なるものが支給されます。
これは、ご主人が本来受け取るはずだった年金額の3/4程度が一生涯支給されます。
一般的なサラリーマンであれば、おおよそ年50〜70万程度。
次に、当然国も保障をしてくれます。
それが、
「遺族基礎年金」
これは、18歳未満の子供がいる場合、その子供が18歳になるまで支給されます。
下記の計算式で支給されます。
・子供1人:780,100+224,500=1,004,600円
・子供2人:780,100+224,500×2=1,229,100
・子供3人目以降:780,100+224,500×2+74,800×3人目以降の子供の数
子供2人の家庭であれば、年におおよそ120万程度の支給となる。
さらには、子供がいる場合は、
「児童手当」と「母子手当」
というものも支給される。
母親の年収がおよそ100万程度として、
・子供手当:月に1万程度
・母子手当:月に10万程度
の支給となるので、年にざっと100万程度の支給となる。
上記の「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「児童手当」「母子手当」を合算すると、合計「300万」程度となる。
また、そもそもご主人が亡くなった場合、
みなさん、実家に戻られると思う。
もしくは、実家の祖父母に出てきてもらうか。
その時、月に8万程度、年に100万くらいになるパートなら、子供がいてもできるはず。
それで年間100万の収入となる。
実際にご主人が亡くなった先に、どんな生活になるのか?
上記でわかるように、たとえ一家の大黒柱が突然亡くなってしまったとしても、
トータルで年に400万程度の実入りはある状態になる。
さらに、住居費についても、
・実家に戻っていれば、住居費はかからない
・家を買っていれば、団信という制度で、住宅ローンは免除になる
・賃貸にしても、家賃月に数万程度の公団に優先的に入居できる
住居費ほぼなしで、年に400万の収入という生活。
普通に生活して行くぶんには十分であろう。
そのうち子供も大きくなれば、バイトだって始めるし、そのうち社会にでる。
ご主人が亡くなったからといって、いきなり路頭に迷う生活になるわけではないのだ。
今の日本においては、ちゃんと保障の制度がある。
「不安だから、とりあえず保険に入って安心を買おう!」というのは、保険会社の思う壺。
大事なことは、こういうことを知った上で、自分でちゃんと考えること。