かつて、資産10億円を作り上げたサラリーマンがいた。
本多静六という人物をご存知だろうか。
そんなとんでもないサラリーマンのことを、ぼくはこの本でを知った。
『ドラゴン桜』でおなじみ、三田紀房さんによる投資漫画、『インベスターZ』。
この漫画を引用しながら、投資のイロハについて、初心者にもわかりやすく書かれている。
この本を通して、普通のサラリーマンが資産10億円を作る方法について考えてみる。
富むものはますます富むことを証明した公式「r>g」
トマス・ピケティという有名な経済学者がいる。
彼の世界的なベストセラー作品に、「21世紀の資本」という本がある。
この本書かれているのは、たった1つの真理。
「r>g」ということだ。(r:資本収益率・g:経済成長率)
噛み砕くと、
「株、不動産、債権などを持っていることで生まれる収益(金利など)の増え方のほうが、
労働によって生み出された賃金の増え方より大きい」
もっと噛み砕くと、
「資本を持っている人は、その資本によってますますお金持ちになる。
労働しかない人は、絶対にそれに追いつけない。」
富むものはますます富む。
そのことを、世界的に証明した本なのだ。
地球規模で考えると、世界は成長を続けている
お金持ちになるためには、投資が絶対条件である。
しかし、投資というと難しく聞こえる。
一部の頭のいい人だけの特権のように思えてしまう。
そこで、視野を広げて、投資についてシンプルに考えてみる。
大前提、世界経済は成長し続けている。
1970年から2015年までの世界先進23か国の平均株価は、幾度とない金融危機を経験しながらも、実に16倍になっています
つまり、単純計算すると毎年6〜7%程度の経済成長を続けてきている計算になる。
デフレだ、金融危機だ、と言われながらも、世界は成長を止めていない。
したがって、著者はこう語る。
株というのは、基本的には上がるものなんだ
世界のGDPを見ても、今でも年数%の割合で成長を続けている。
単純に、世界の人口が増加し続けているからだ。
「人口が増える=労働力が増える=消費者も増える」
人口の増加によって、GDPはいまだに成長を続けている。
その勢いは、これからしばらくは続くだろう。
宇宙規模で考えると、地球という投資商品は「買い」なのだ。
コツコツこそが王道であり、近道である
この本の最後に、冒頭の本多静六という人物について書かれている。
彼は江戸末期の生まれ。
国立大学の教授でありながら、生涯で10億円もの資産を築く。
ごく普通のサラリーマンは、どのようにして10億もの資産を築き上げたのだろうか。
その答えは、ごくごくありふれたものだった。
給料四分の一天引貯金方
まず、彼は給料の四分の一天引きし、それを貯蓄していた。
その四分の一をもともとなかったものとして、残りのお金で生活していた。
25万の給料であれば、6万2500円。
1年続ければ、単純計算で3ヶ月分の給料が貯まる。
彼は、これを一生涯続けたという。
空いた時間で副業
しかし、家族もいた彼にとって、給料の四分の三だけではさすがに生活していけない。
そこで、彼は「副業」によって、その不足分を補った。
造園や植林業のコンサルタントをしたり、ライターをしたり、本の執筆などもしていたようだ。
今でこそ、ようやく大企業も認め始めた「副業」
それを戦前から実践していた彼は、時代の最先端の生き方をしていた。
貯金を、投資に回す
そして、彼はただ貯金をしていただけではない。
上記の「r>g」という公式の通り、貯金の大半を投資に回していた。
デイトレではなく、長期保有を前提として、インフラ系の株を中心に保有。
また、当初は価値のなかった山林も保有した。日本の経済発展とともに、それらは木材の供給源として、大きく価値を伸ばした。
彼が40歳になる時点で、預金の利子と株の配当で、大学教授の収入を上回るようになる。
貯金を開始して、15年が過ぎた頃だった。
答えはいたってシンプル
彼のやり方は、基本に忠実だ。
貯金をして、貯まったお金を投資に回す。ただそれだけ。
上記の式「r>g」を実践していたのだ。
彼は、きっと気づいていたのだろう。
労働だけを続けていても、永遠に豊かにはなれない。
豊かになるには資本が必要であり、その資本は投資に回す。
ただ、それをコツコツと続けるだけ。
投資はシンプル。まずは一歩を踏み出そう
作者は、こう語る。
これからの時代、投資や金融についての知識があるのとないのとでは、人生の難易度が全く違ってくると考えている
投資というと、ついつい難しく考えてしまいがちだ。
しかし、まずは一歩を踏み出すこと。
時代は違うかもしれない。
今は銀行金利もほぼないに等しい。
しかし、今ほど情報もなかった時代に、本多静六は実践し、資産10億円を築き上げた。
今のサラリーマンだって、10億貯めることができる。
そのためには、まずは知ること。
そのための第一歩として、うってつけの1冊だ。
ちなみに、もっと具体的な話を知りたい方には、こちらの本もおすすめです。

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