不動産業界に身を置くだーまんです。
「ワンルームマンション投資の営業を受けた。どうしたらいい?」
特に、上場企業に勤めているサラリーマンからの相談が多い。
信用があるのでローンも通りやすく、業者も狙いを定めているのだろう。
一見魅力的に見えるワンルーム投資だが、サラリーマンは安易に手を出してはいけない。
その理由を、シンプルに解説する。
そもそもワンルームマンション投資とは?
サラリーマンを対象としたワンルーム営業が流行っている
「物件価格1000万。年間賃料100万。よって、利回り10%の投資商品。
毎月1万円を払い続けることで、35年後には年間100万円の不労所得に!」
銀行預金だけではATM手数料で利子は飛ぶ。
老後の年金ももらえるか心配。
こういった不安の中、上記の謳い文句につられて手を出してしまう人が多い。
本当に不労所得になるのだろうか?
だが、実際に老後の不労所得になるのだろうか?
そんなに甘い話ではないことを、ここから解説していく。
安易に手を出してはいけないワケ
将来の賃料は誰も保証できない
大前提として、35年後の賃料は誰にもわからない。
ローンを払い終えた35年後に、果たして当初想定していた賃料が入ってくるのか?
もろもろ経費を差し引いて、それでもなおプラスになる保証はない。
想定外の費用が考慮されてない
不動産業者からの説明には、想定外の費用が読み込まれていない。
空室になった時のクリーニング費用、室内の設備が壊れた時の修理費。
ワンルームは入居者の入れ替えが激しいので、その都度発生するクリーニング費用はバカにならない。
賃貸物件は価格競争が激しい
住む人の心理として、同じ賃料なら新しい物件がいいに決まっている。
賃貸物件の供給は激しく、新たな競合は増える一方。
借り手がつかなければ、どんどん賃料を下げるしかない。
建前だけのサブリース契約
不動産業者は、サブリース契約で35年間一定の賃料を保証しますと謳う。
しかし、これを鵜呑みにしてはいけない。
実は、契約書に様々な特約が盛り込まれている。
賃料の下落に伴い、特約を理由に平気で契約条件を変えてくる。
サブリースで保証されているからといって、安心できない。
買い手が少ない
賃料が下がってきたので、売却しようと考える。
しかし、ワンルームマンションは簡単には売れない。
なぜか?
ワンルームマンションを買うのは、投資家。
自分が住む用(=居住用)に買う人と比べると、母数が圧倒的に少ない。
需要と供給のバランスで、買い手がつくのに時間がかかる。
※居住用の物件と比較して、投資用の物件は価格が70〜80%になる。
ここに目をつけて、投資用物件を買い、住んでいる人が退去するのを待って、居住用物件として売却して利益を得るというスキームを見出し、躍進したのがスターマイカという企業である。
競合物件が多い
また、投資家が見るのはあくまで利回り。エリアの良し悪しは二の次だ。
そうなると、競合物件が多くなる。
数多い競争相手の中から見つけてもらうには、価格を下げるしかない。
買った時と同じ価格では売れない
投資物件は、賃料によって価格が決まる利回り商品。
賃料は、買ったタイミングから下がる一方。
すなわち、売るときはほぼ確実に買った時より価格が下がっている。
資産としての流動性が低い
突発的なことが起きて、すぐに換金したいと思った時。
不動産はすぐには現金化できない。
それでも早く現金化するには、価格を下げるしかない。
資産としての流動性が低いので、資産に余裕がないとリスクになる。
業者がゴリゴリに営業する必要がない
大前提として、適正な価格の魅力的な物件であれば、営業マンがあなたを深夜まで追いかけ回して、営業する必要はない。
賢い投資家が、ちゃんと見つけて買いにくる。
そうでないのは、魅力的な物件でないから。
不動産投資に手を出すなら、まず勉強すること
不動産投資にメリットがないわけではない
インフレになると現金の価値は下がるが、不動産価格は上がるためインフレ対策になる。
銀行金利より利回りが良いので、ただ預けるよりは資産が増えていく。
エリアによっては価格が上昇するので、売却益が見込める。
「せんみつ」という格言
不動産業界には、「せんみつ」という格言がある。
良い物件は、1000の情報の中に3つしかない。
それくらい、良い情報は希少なのだ。
不動産投資は1つの手段である。
しかし、生半可な知識で、不動産業者に言われるがままに手を出して成功するほど甘くない。
カモにならないためには、まず勉強する。
投資するのは、それからでも遅くない。
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