映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が予想外の面白さだったので、ご紹介します!
属するグループが違う4人の高校生が、「ジュマンジ」というゲームの世界に入り、力を合わせてクリアを目指すという物語。
映画評論家の町山智浩さんが「よくできた映画」と絶賛し、不覚にも泣いてしまったという話を聞いて、気になって観てきました。
1作目『ジュマンジ(1995年)』の続編として作られた本作品。
ゲームの世界に入って行くというワクワクあり、登場人物たちの成長ありと、かなり面白い映画でした。
それでは、映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』をご紹介していきます!
『ジュマンジ』のあらすじ(ネタバレなし)
かつて親友同士だったスペンサー(アレックス・ウルフ)とフリッジ(サーダリウス・ブレイン)だが、スポーツマンで人気者となったフリッジは、ゲームオタクのスペンサーをコキ使う関係に。
マーサ(モーガン・ターナー)は根暗で友人がおらず、いつも自分を卑下しています。
ペサニー(マディソン・アイゼマン)は見た目ばかりを気にするインスタ女子で、他人には全く興味がありません。
学校で属するグループが違う4人が、たまたま一緒に居残りすることに。
(アメリカの学校では、悪いことをすると居残りを命じられ、掃除等の仕事をさせられる)
居残り部屋で作業していると、フリッジが「ジュマンジ」というカセットが入ったゲーム機を見つけ出す。
暇つぶしに遊ぼうとすると、4人はゲームの世界へ吸い込まれます。
4人はそれぞれが選んだキャラクターになって、ゲーム「ジュマンジ」の世界に入り込んでしまいます。
・ゲームオタク:スペンサーは、身体ムキムキのプロレスラーのようなブレイブストーン博士(ドウェイン・ジョンソン)
・スポーツマン:フリッジは身体が小さく、運動音痴のマウス(ケヴィン・ハート)
・根暗のマーサは、スタイル抜群のカンフー女子ルビー・ラウンドハウス(カレン・ギラン)
・インスタ女子:ペサニーは、小太り中年のシェリー教授(ジャック・ブラック)
現実世界とは真逆のキャラクターになった4人は、戸惑いながらも力を合わせて、ゲームクリアを目指して戦っていく・・・
率直な感想やレビュー(※ネタバレ含む)
ここからは、映画を観て率直に感じたことを書いていきます!
多少のネタバレは含みますので、まだ観ていない人はご注意ください。
「自分がゲームの世界に入ったら・・?」という設定が子供心をくすぐる!
子供の頃、「もしもゲームの世界に入ることができたら・・」 という妄想、したことありますよね?
僕の子供の頃だと、スーパーマリオ、ドンキーコング、ストリートファイターなどなど。
この映画は、「ゲームのキャラになって、ゲームの中で遊んでみたい」という妄想を叶えてくます。
また、舞台はゲームの世界なので「何でもアリ」です。
死んでしまってもライフが残っていれば生き返るし、超人的なカンフー技も炸裂します。
「いくら何でもやりすぎだろ!」という出来事が連続しますが、ゲームの世界なので納得です。
それと同時に、「ゲームをクリアーできないと存在が消えてしまう」というリアリティさがあり、そのバランスが絶妙です。
真逆のキャラになった4人の戸惑いが笑える!
『ジュマンジ』のゲームをプレイする時、4人は名前だけでキャラを選択します。
そのため、ゲームの中では予期せぬキャラになってしまします。
その戸惑いっぷりがとにかく面白い。
ゲームオタクのスペンサーは、プロレスラーみたいに身体が大きなキャラ(実際に役者さんは元プロレスラー)になります。
しかし、心は小心男のままです。
デカい図体しながら、「僕にはそんなことできないよ・・」などと、見た目に似合わない弱音を吐きます。
スポーツマンだったフリッジは、運動音痴な小男になります。
手下のように扱っていたスペンサーに、喧嘩ではあっさり負けてしまう。
まるで、のび太とジャイアンの中身だけが入れ替わったような状態です。
内気なマーサは、イケイケホットパンツ美女になります。
スタイル良いのに、ヘソ出し・腕出しのセクシーな格好が恥ずかしい。
物語の途中、シェリー教授(中身は美女ペサニー)に男を誘惑する方法を学ぶシーンがあります。
そのぎこちなさが面白い。
セクシーなはずの歩き方が、まるで足を痛めて歩いているよう。
髪をかきあげる仕草も、髪についたゴミを取ろうとしているかのよう。
美女のペサニーは、中年の小太り男になってしまいます。
見た目しか関心のなかった彼女は、その容姿にショックを受け、ゲーム開始早々絶望します。
また、用の足し方もわからないため、男性陣に聞くところも笑えます。
「自分とは違う人になる」ことで成長する4人の物語
この映画の中心となるのは、ゲームのクリアーに加えて、4人の成長です。
町山智浩さんの解説の中で出ていたのですが、同じような設定で作られた『ブレックファースト・クラブ(1985年)』という名作映画があるそうです。
80's Trailers - "The Breakfast Club" (1985)
この映画でも、グループが全く違う4人の高校生が一緒に居残りとなります。
そこではじめて会話をする中で、互いのことを徐々に知っていきます。
そして、それまで想像すらしなかった相手の立場や気持ちを、少しずつ理解しあっていくという物語だそうです。
アメリカの学校には、クラスという概念がありません。
先生の教室に行って授業を受けるという、大学のようなスタイル。
そのため、日本の学校以上に、グループが異なる生徒同士の関わりがありません。
(日本だとクラス単位の行事があったりするので、まだ接点があります)
そういった背景があるからこそ、余計にこの作品はヒットしたのかもしれません。
他人の思いや考えは、相手の立場になってはじめて分かる部分が多いです。
ましてや、バカにしていた相手の立場なんて、自分も同じ立場にならないとわからないものです。
・スペンサーは、オタクであることを理由に殻にこもっていましたが、勇気を出すことを学びます
・ファッジは、運動音痴の小男になることで、弱い立場の人の気持ちを学びます
・マーサは、自分に自信を持って、堂々と行動することを学びます
・ペサニーは、他人を思いやることを学びます
中でも、他人に興味ナシだったペサニーの変化は感動的です。
物語の途中、ゲームの世界に20年閉じ込められていたアレックスに出会います。
外見だけでなく、生き方がカッコいい彼に、密かな恋心を抱く彼女。
弱点をつかれ、アレックスのライフが無くなりかけた時、彼女が自分のライフを差し出して助けます。
可愛くてチヤホヤされてきて、他人への思いやりがなかった彼女。
その彼女が、はじめて誰かのために取った行動です。
不覚にも、泣いてしまいました。
ペサニーの話には、後日談があります。
無事にゲームをクリアーし、現実世界に戻った彼らは、アレックスの元を尋ねます。
結婚して子供がいた彼は、生まれてきた娘にペサニーという名前をつけていました。
アレックスに恋心を抱いていたペサニーは、アレックスがの結婚は少しショックだったかもしれません。
しかし、「娘にペサニーと名前をつけた」というアレックスの言葉を聞いた彼女は、今まで見せたことのない嬉しそうな顔をしていました。
「他人の立場に立つことで、人の気持ちがわかるようになる」
映画を通して見る4人の成長は、大事なメッセージを伝えてくれます。
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』を観ようか迷っている人へ!
町山さんの解説を聞くまでは、子供向けの映画だと思っていた本作品。
全然違いました。
子供が観ても楽しい作品ですが、大人に向けたメッセージも込められています。
映画の醍醐味は、他人の人生を疑似体験できること。
自分ではない誰かの人生を体験することで、想像力が広がり、人生の豊かさが増します。
まさに、それを体現した作品でした。
ドキドキワクワクするエンターテイメントの中に、深いメッセージが込められています。
4人の成長を観ながら、自分自身を省みました。
そして、「誰かに優しくしよう」と思える作品でした。
ワクワクするエンターテイメント要素だけでなく、成長と感動がある作品を観たい人には、オススメの1本です!
併せて読みたい!