人生で、何回も繰り返し読める本に出会えることは、とても幸せなことです。
僕にも、数冊そういった本があります。
その中の1冊。大学生の時に三股されるという手痛い恋愛経験をした時に、地元の古本屋で出会った本を紹介します。
この本の前書きが、とても素敵です。
あんまり有名じゃないけど、自分だけが好きなかわいい映画があります。
それを、君が観ていた。
しかも、こう言った。
「私も、その映画大好き。なんで知ってるの?」
その時、僕たちは、友達同士から、恋人同士になった。
恋愛には、偶然がつきものです。
ふとした偶然から、恋が始まります。
・・・・・・・
日常生活の中から、偶然を見つけるにはどうすればいいか。
どんなささいなことでも、意味のある偶然だと、大事にすることです。
学生時代に月に100本映画を観ていた中谷彰宏さんが、好きな映画について書いているエッセイです。
どの項目も数ページほどの気軽なエッセイの中に、キラリと光るフレーズがたくさん詰まってます。
今思うと、当時はとてもみっともない恋愛をしていたのですが、失恋のどん底にいた僕を救ってくれた言葉がいくつかあります。
『傷つけることも傷つけられることも、優しくなるには必要なんだ。』
これは、映画『シザーハンズ』を題材にしたエッセイです。
誰しもシザーハンズを持っている。
自分が持っているハサミで相手を傷つけたり、自分を傷つけたりすることを恐れてはいけない。
・・・・・・・
傷つけたり、傷つけられたりしながら、人間は優しくなっていくんだ。
今のこの傷は、いつか誰かの傷を理解するために必要な傷なんだ、と思いました。
また、
『とりあえずの恋をする人より、ガマンしないで生きた方が偶然に出会える。』
クリスマス前に、1人は恥ずかしいからとそんなに好きでもない人と付き合う。
そんな感じで、「とりあえずの恋人」を作ろうと躍起になっていました。
しかし、結果的に空振り。
無理して付き合おうとしても、うまくいくわけがありません。
虚しさだけが、残りました。
『恋の傷は、恋でしか癒せない。』
これは、『フィッシャー・キング』という映画を題材にしています。
傷つくのが怖くて恋をしたことのない女の子と、傷ついて2度と恋をしたくないと思っていた男の恋のお話。
この中に出てくるフレーズを、何度も読みました。
もし君が、前に死ぬほど人を好きになって恋をして傷ついたことがあったら。
もう2度と傷つきたくないから人を好きになることをためらっているとしたら。
にもかかわらず人を好きになってしまったら。
もし好きになった恋人が、傷つく1歩手前でいつもためらって恋から降りてしまっている優しい人だったとしたら、ぜひこの言葉を思い出してほしい。
恋の傷は、恋で癒すしかないんだ。
恋愛で傷ついていた僕は、この本を繰り返し読みました。
そして、大学も夏休み目前まできてましたが、仮面浪人をして再び東大を目指して勉強を再開する決断をします。
東大には無事受かり、大学時代に中谷彰宏さんともお会いしました。
落ち込んで、ふらっと入った古本屋でこの本を見つけたことは、ただの偶然です。
しかし、そこから僕の人生は大きく変化していきました。
繰り返し読みたい本があることは、とても幸せです。
本には、「これだ!」というキーワードがいくつかあります。
読むたびに、目に入ってくる言葉が変わってきます。
自分が変化することで、反応するポイントが変わります。
同じ本を繰り返し読むことは、本を読んでいるようで、実は自分を見つめ直すことになります。
本を読みながら、たくさん考え事をします。
本を読むというより、自分の内面と向き合っているような感覚です。
自分と向き合うことができるから、僕は本がとても好きなのです。
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