最近、「どうしたら子供が勉強するようになりますか?」という質問をたくさん受ける。
ところで、僕自身は親から勉強を強制された記憶がない。
気づいたら、勉強が楽しくて勝手にやっていた。
どうして、僕は勝手に勉強をやっていたのだろうか。
どうすれば、子供は進んで勉強をするようになるのだろうか。
そういった質問に対する答えを書いてみた。
なぜ、子供は勉強をしないのか?
大前提として、なぜ子供は勉強をしないのか?
答えは簡単。
勉強がつまらないから。以上。
好きなことなら、とことんやる。
やりたくて仕方ないゲームなんかは、隠れてでもやろうとする。
そんなつまらない勉強を、親にやれやれ言われたら、なおのことやりたくなくなるのが人間の心理というもの。
会社でも、やりたくない仕事を上司からやれやれ言われたら、反発したくなるのと全く同じ原理。
僕自身、親から勉強を強制された記憶がない。
もし強制されていたなら、反発してやっていなかった自信がある。
では、どうしたら勉強するようになるのか?
勉強が楽しいと思えたら、子供は勝手にやる。
自分の中で楽しいと思えさえすればいい。
ところで、人には内的モチベーションと外的モチベーションがある。
周りの影響で湧き上がるのが、外的モチベーション。
自分の内なる感情で湧き上がるのが、内的モチベーション。
ここで大事なのが、やる気の源泉が内的モチベーションであること。
よく、勉強を促すために叱る、あるいはご褒美をあげる、という手法が語られる。
僕はこれらの手法には反対だ。
なぜなら、叱られること、もしくはご褒美という外的要因がなくなると、モチベーションもなくなるから。
また、だんだん慣れてくると、より強いお叱り、もしくは豪華なご褒美がないと続かない。
あくまで、一時的な子供騙しみたいなものなのだ。
ゲームをやりたい子供は、親に何を言われようがやる。
そういう内的モチベーションを育むことが大切だ。
子供の内的モチベーションを育むのは、親の姿勢
子供が勉強をしたくなるには、親の姿勢が一番大事。
こういう相談をする人に限って、相談する本人が勉強嫌いなことが多い。あるいは、これまで勉強を避けてきたか。
小さな子供にとって、親が社会だ。
その親が勉強を楽しそうにしてないのに、どうして子供が楽しそうにやるのだろうか。
自分自身の家庭を振り返ってみる。
両親は、本当に勉強好きだ。
母親はいつも本を読んでいた。
何かわからないことがあると、すぐに辞書を持ち出してきて、わかったことを楽しそうに僕らに報告してくれた。
「英語の勉強しようと思って、学生の時にこの辞書をかたっぱしから覚えたようとしたけど、知らない言葉を知るのが本当に楽しかったんだよねー」と、笑顔で語っていた。
ほぼ毎日のように、本の読み聞かせをしてくれていた。
父親も、いつもペンを片手に本を読み、何か気づくとノートにメモ書きしていた。
誰かの講演会でメモした走り書きをパソコンでまとめたり。
難しそうな資格の勉強をして、わかったことを僕らに楽しそうに共有してくれたり。
そういった姿を見ていたので、僕ら兄弟にとって、勉強=楽しいものというのがインプットされる。
言葉ではない。姿勢を見て学んだ。
人を変える方法はたった1つ。自分を変えること。
最後に、1つ寓話を。
あるお坊さんの元を訪ねた親子。お父さんが、お坊さんに相談をする。
「息子が甘いものしか食べなくて、健康が心配です。どうにかして、甘いものばかり食べるのをやめさせたいのです」
お坊さんは、「また来月来てくださいね」とだけ言って、親子を返す。
翌月、再び訪ねて来た親子。
お坊さんは、子供に向かってこう言う。
「甘いものは、控えようね」
それを聞いた子供は、その後甘いものを控えるようになったそうだ。
なぜ、子供はお坊さんのたった一言で変わったのか。
実は、お坊さんも大の甘党だった。
しかし、父親の願いを聞いた彼は、親子が再び来るまでの1ヶ月間、甘いものを断っていた。
甘いもの断つ辛さを身をもって体験した。
それだけでなく、甘いものを断ったことで、健康状態が改善したことも体感した。
だからこそ、お坊さんの放った一言には、重みがあった。
「どうしたら子供が勉強するようになりますか?」と相談している時点で、子供をどうにかしようとしている。
人は、簡単に変わらない。
小手先のテクニックで変えられるほど、単純ではない。
人を変えるには、まず自分から。
変わらないのをいつまでも人のせいにしているから、相手は変わらない。
子供に勉強させたいなら、まず自分が勉強を好きになるところからだ。
⇩勉強を楽しく思えるようになっていった具体的経緯について書いたこちらもご参考に。