だーまんのブログ

平成生まれ・東大卒の元不動産屋→現・外資コンサル。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、仕事について、など日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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映画『愛がなんだ』いろんな愛の形があっていいじゃないか

目黒シネマで「愛がなんだ」を観てきました。

 

 

予告編はこちら

www.youtube.com

 

週末15時からの回に行きましたが、ほぼ満員で、女性が圧倒的に多かったです。

岸井ゆきのと成田凌の2人の掛け合いは観ているこちらがむずかゆくなるくらい、男でもキュンキュンさせられました。

 

ただし、これはただの恋愛映画ではありません。

人を好きになるということを通した、様々な生き様を見せてくれる作品でした。

ネタバレしますが、感想をつらつらと書いていきます。

 

簡単なあらすじ

テルコ(岸井ゆきの)は、マモル(成田凌)の全てが大好きな女の子。

マモルは決してイケメンでもなく、仕事ができるわけでもない。

男らしくもなく、思いやりがあるわけでもない。

平均より、どちらかというと下寄りの男。

(ただし、映画の中で成田凌演じるマモルは圧倒的にイケメンだし、仕草とかファッションもおしゃれです。

ここは、マモルはそう言う男だと思って観る必要があります)

 

だけど、なぜかマモルに惹かれるテルコ。

電話で呼び出されたら夜中でも飛んでいくし、会社だって休む。

彼のために料理だってするし、掃除や洗濯もしてあげる 。

セックスだってする。

だけど。

テルコはまだ、マモルの恋人ではない。

 

突然連絡が取れなくなったと思ったら、また突然連絡がきて。

嬉しくなって会いに行ったら、マモルに女の子を紹介されてしまう。

ショックを受けるテルコだったが、それでもマモルと彼女の仲が深まるように、頑張ってしまう。

 

テルコにとって、マモルはどんな存在なのか。

マモルにとって、テルコはどんな存在なのか。

恋って、愛って、なんだろうか。

 

「私はまだ、田中マモルではない」(テルコ)

都合のいい女・テルコと、それに甘えてしまうマモル。

最後の最後まで、2人は結ばれることはありませんでした。

 

映画の最後のカットの前に、テルコのナレーションが入ります。

テルコは、マモルの恋の成就のために頑張るし、彼が好きなものを好きになろうとします。

 

だけど、私はまだ、田中マモルではない

 

その後、最後のカットに移ります。

そこには、象の飼育員となったテルコの姿がありました。

満足そうな顔をして、象に餌をあげている彼女。

実は、以前マモルと一緒に動物園に行った時に、マモルが「将来は象の飼育員になりたい」とボソッとつぶやいていました。

 

マモルになるために、

彼女は、マモルがなりたいモノになっていました。

画面に映る彼女は、とても生き生きしてます。

 

彼のためになんでもやってあげる都合のいい女を通り越して、マモルになることを生き甲斐としている彼女。

それは、すでに恋とか愛のレベルを超えています。

 

最初観た時、この結末をものすごく怖く感じました。

だって、いつまで経っても、テルコはマモルになれないのだから。

もう狂気の域に達しているなと。

 

だけど、少し時間が経って、考え方が変わりました。

なぜなら、誰しも、誰かになりたいと思って生きているものです。

僕だってそうですし、みんなにとっても生き方のロールモデルはいます。

 

誰かに憧れて、その人になろうと努力することは、決して悪いことではありません。

テルコの場合はちょっと異常かもしれませんが、

それが彼女にとっての生き甲斐であれば、それはそれで素晴らしいことなのだと。

 

先ほども言ったように、

いつまでたっても、テルコは決してマモルにはなれません。

だから、逆に言うと、どんなにマモルになろうとしても、テルコはテルコのままなのです。

 

それが彼女の生き様であり、生き甲斐であれば、誰がそれを否定できようか。

自分が納得できる生き方をしているのであれば、誰にも否定する権利はないですね。

 

 とても怖い結末だと最初は思っていましたが、

どうしても、彼女の最後の表情が頭から離れませんでした。

生き生きとした表情が、ずっと頭の中で引っかかってました。

 

それがある瞬間に、それが彼女の生き方なんだなって納得できました。 

自分の生き方は、自分が決める。

最後の彼女の笑顔と表情は、そう物語っているように僕には見えました。

  

「幸せなりたいっすね」(ナカハラ)

 テルコの友人である葉子にも、都合のいい男がいます。

それが、カメラマンのアシスタントであるナカハラ。

 

彼はテルコと同じような境遇にいながらも、違う選択をします。 

いつまで経っても報われないことに耐えられなくなったナカハラは、葉子への思いを断ち切ることにします。

 

それに対し、テルコは、映画のタイトルでもある言葉を口にします。

愛がなんだってんだよ!

報われないからと諦めるナカハラに対して、

テルコは、すでに報われる・報われないという次元を超えていたのです。

 

だけど、ナカハラはそうは思えません。

幸せになりたいっすね。

 と泣き笑いの表情で言う彼の姿は、この映画の中で一番心打たれました

 

思いを断ち切った彼は、カメラの道を頑張り、個展を開くに至りました。

そこに、なんと葉子が現れます。

どうして、と問うナカハラに、彼女は

 ネットで「ナカハラ」って調べたら、出てきたから

 

好きな人への思いを、他のことで昇華したナカハラの生き様もまた、とてもかっこよくグッときました。

 

自分が納得した生き方をできればいい

テルコの生き樣も、ナカハラの生き様も、最高にかっこいい。

 

愛が報われずとも、好きな人の姿を追い続け、象の飼育員を生き生きとしているテルコ。

報われない愛を断ち切り、カメラの道を頑張ることで昇華したナカハラ。

 

共通しているのは、2人とも自分が納得した生き方をしているということ。

色々苦悩を続けた2人の最後の表情は、観ていてとても気持ちよかったです。

 

 

畢竟、自分が納得できればそれでいい。

いろんな愛の形を通して、とても清々しい気持ちにさせてくれる映画でした。 

 

 

『愛がなんだ』は、下記U-NEXTから視聴できます。