だまん氏のブログ

元不動産屋→現・外資コンサル。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、仕事について、など日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

愛のすれ違いが生んだ、悲しい親子の物語/『母性』著:湊かなえ

湊かなえさんの『母性』を読んだ。 母性って、なんだろうか。無償の愛って、なんだろうか。 親になると、当たり前に芽生えるものだと思っていた。 そんなことは、決してない。 この小説は、親になりきれなかった母親と、母親の愛を求め続けた娘の悲しい物語…

人の死を見たいと望む少女たちの成長物語と、あまりにも残酷な結末/『少女』著:湊かなえ

湊かなえに、またもやられた。 映画化もされた 『少女』を読んだ。 渾身の「イヤミス」作品だった。 少女 (双葉文庫) 作者: 湊かなえ 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2012/02/16 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 188回 この商品を含むブログ (54件) を…

全てが壮大なフェイクだった/人間のむき出しの欲望を痛快に描いたコーエン兄弟の代表作『ファーゴ』

アカデミー賞を受賞した『ノーカントリー』の監督であるコーエン兄弟。 彼らの名を一気に有名にした代表作が、こちら。 ファーゴ (字幕版) 発売日: 2015/10/11 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 冒頭、“This is a true story...”(これは…

壮大な伏線が織りなす衝撃のラストと、未来への希望を与えてくれる1冊『さよならドビュッシー』著:中山七里

予想を裏切る壮大な結末だった。 第8回「このミステリーがすごい!」受賞作品、中山七里さんによる『さよならドビュッシー』という作品。 さよならドビュッシー (宝島社文庫) 作者: 中山七里 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2011/01/12 メディア: 文庫 購…

それぞれの憶測の先に、真実は一つもなかった/現代社会の恐怖と闇を描いた『白ゆき姫殺人事件』著:湊かなえ

またもや、衝撃的な結末だった。 『白ゆき姫殺人事件』 決して、奇をてらった派手な演出ではない。 納得の、しかし想定外のエンディングだった。 白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) 作者: 湊かなえ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/02/20 メディア: 文庫 …

【映画評】『桐島、部活やめるってよ』学校ヒエラルキーをグロテスクなまでに生々しくあぶり出す

映画は好きだが、2回以上観ようと思う映画とはなかなか出会わない。 そんな中で、4回も観てしまった映画がある。 それがこちら。 『桐島、部活やめるってよ』 桐島、部活やめるってよ 発売日: 2013/11/26 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログ (9件)…

【ネタバレ解説】『秘密』東野圭吾/人生で一番泣いた小説について

週に1冊は本を読むだーまんです。 物心ついた頃から、本が大好きでした。 その要因はおそらく家庭環境にあって、3LDKのうち1部屋が本で埋め尽くされていた家で育ちました。 そんな本好きな両親の元で育ったため、強要されるまでもなく、気づいたら本に夢中に…

『夜行観覧車』(著:湊かなえ)から、兄弟2人を公立高校から東大に入れた両親の教育方針を考える。

最近、僕の中のブームになっている湊かなえ。 今回は、『夜行観覧車』を読んだ。 夜行観覧車 (双葉文庫) 作者: 湊かなえ 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2013/01/04 メディア: 文庫 クリック: 11回 この商品を含むブログ (41件) を見る おおまかなあらすじ…

心温まる物語と見せかけて、ラスト2行からの急転直下のエンディング 『リバース』著:湊かなえ/徒然読書感想文

※本エントリーは、極力避けるよう努力しますが、多少のネタバレを含みます。ご了承ください!!! 最近、湊かなえブームが来ている。 『Nのために』、『リバース』、そして『夜行観覧車』を現在読んでいる。 物語の面白いスポットに入ってしまうと、時間を忘…