人が歳をとって大人になるって、どうしてこう切ないんでしょうね。
寂しくない大人なんているのだろうか。
たまたまオススメしてもらって観たドラマ。
『最後から2番目の恋』
と、その続編。
『続・最後から2番目の恋』
舞台は鎌倉。
主人公は、お互い50歳近くの二人。
早くに両親を亡くし、兄弟4人の父親代りをつとめてきた長男である長倉和平。
奥さんとも死別し、一人娘と兄弟と一緒に暮らしている。
公務員であり、その通り、真面目で誠実でな性格の持ち主。
そして、敏腕テレビプロデューサーであり、これまで独身で走って来たキャリアウーマン、吉野千明。一人身で自由奔放な性格。
都内での生活に疲れて、古都でゆっくりという生活に憧れ、たまたま長倉家の隣に引っ越してくる。
性格も境遇も真逆な二人が、千明の引越しを機に少しずつ交流していくようになり。
そんなところから始まる物語。
あらすじだけみると、そんなに惹きつけられないが・・・・
初回から、もうドラマの世界観にハマってしまった。
かくゆう僕も、今は28歳。
10代のときは、20代なんてまだまだ先のことだと思っていたし、
間も無く30代を迎える自分にとって、それ以後の世界はまだまだ未知数だ。
そして、それは主人公の二人も変わらず。
20代の自分は、まさか今のような40代、50代を送っているとは想像もつかず。
人が大人になるっていうことは、それだけ多くの選択をしてきたということだ。何かを選ぶということは、その分何かを失うということだ。
歳を重ねるっていうことは、いろんなことがわかってくるし、迷わなくなるし、自分の感情のコントロールとかも上手くなるし、物事の道理とかもわかってくるし。
もっと、「大人になる」ってことだと思っていた。
だけど、現実はそんなに簡単ではなくて。
選択をしてきた分、捨ててきた選択もたくさんあるわけで。
ちゃんと「寂しい」し、「迷う」し、「どうすればいいのかわからない」ことだって増えていくし。
だけど、確かに積み重ねてきたものはちゃんとあって。
そんな、等身大の大人の物語。
決して歳を重ねたからといって、思っているような「大人」 になれるわけでもなく。
見かけだけ「大人」になるからといって、人はいつだって一生懸命に生きているし、みんな、不器用ながら、迷いながらも、未来を信じて生きているのだな、と思わせてくれた。
「大人」になるのも悪くないなって、そう思わせてくれた作品です。