だーまんのブログ

平成生まれ・東大卒の不動産屋。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、ライフハック術、不動産のこと、受験についてなど、日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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『やまとなでしこ』今見ても色褪せない名作

昔のドラマを見返している。

「名作」と呼ばれるものは、何かしらの理由がある。それを知るために、とにかく昔の名作を見返そうと思い、たまたま見た本作品。

登場人物の微妙な心情の変化や、次々と明らかになってくる伏線など、あまりに後半の物語の展開が鮮やかすぎて、ラスト5話くらいは一気に観てしまった。最後のほうは涙腺緩みっぱなし。そこにまた、主題歌のMisiaの『Everthing』がバチっとハマる。

 

タイトルだけは知ってましたが、完全になめてました。

いつの日かシンデレラが迎えに来てくれると思い焦がれ、家事もきっちりこなし、、おしとやかで理想的な女性像、いわゆる古き良き「やまとなでしこ」的な女性の退屈なラブストーリーかと思いきや。

大筋間違っていないが、それはあくまで男性側から女性像であって、当の女性自身はとても「やまとなでしこ」と呼ぶにふさわしい女性ではない。

『やまとなでしこ』というタイトルは、ある意味皮肉なのである。

<概要>

本作は、2000年に放映された月9枠のドラマ。

平均視聴率は26.4%、最高資料率は34.2%。これはコメディドラマとしては史上二番目の数字、月9枠としても久々のヒット作となったようである。

主演の松島菜々子と堤真一はじめ、矢田亜希子、筧利夫、西村雅彦など、名役者が揃っており、見応えのある作品となっている。

 

<あらすじ>

ヒロインの神野桜子(演:松島菜々子)は、小さい頃に貧乏したい経験から、将来は絶対お金持ちになる、そのために玉の輿に乗ってやる、と心に決めて上京する。理想のシンデレラと出会うため、スチュワーデスをしながら合コンに明け暮れる毎日。心よりもお金のほうが大事、お金がすべてという彼女。

対して、中原欧介(演:堤真一)は、数学者として頭角を現し海外の大学へ研究で行くものの、自身の研究がうまくいかず、加えて父親が亡くなり魚屋を継ぐ必要も出て来たため日本へ帰国、数学の道を諦め細々と魚屋で生計を立てている。決してお金持ちではないが、あまりにもまっすぐで純粋な性格の持ち主。

そんな正反対な二人が、たまたま参加した合コンで対面する。桜子は、欧介が海外にた時に付き合っていた彼女と瓜二つ。数学ばかりに明け暮れていたため、「10年後のあたなたが見えない」と振られてしまい、その失恋の痛手を7年もの間引きずっていたのだ。

桜子を見て、思わず見とれてしまう欧介。そして、桜子の方も、たまたま欧介の胸元にあった馬主の紋章を見て、「この人だ!」と心に決める。二人はデートに繰り出すことになる。

そんなところから、二人の距離は接近して行くが・・・・

 

お金より大事なものがある。桜子の本当の気持ちを、欧介と触れ合って行くことで見つけて行く物語。

 

<名シーンたち(主に後半)>

とにかく、演技が素晴らしい。小さい心の動き、微妙な表情、仕草・・・

好きなシーンを回想します(主にというか全て後半。)

桜子は、自身の中に欧介の存在が徐々に大きくなって行くことに気づく。

しかし、頭で思い描く理想と全く違う欧介に対して、気持ちが大きくなってしまう自分に戸惑う。

欧介の営む「魚春」が、桜子の婚約者・東十条家によって買収され、潰れてしまう危機に。そんな時に、買収場所の変更を申し出、欧介と「魚春」を守る桜子。

しかし、そんなことはつゆ知らない欧介たち一行と街中で出くわす。

今まで、お金だけを基準に男を選び、自分と釣り合わせるためお金を使わせ、たくさんの男を自己破産に 追い込んで来た過去がある桜子。

そんな桜子のことをよく思っていない欧介の友人たちから、罵声を浴びせらる桜子。

欧介のために「魚春」の買収計画を変更させたとは、自分でも思いたくない桜子。自分の行動にまだ戸惑っている様子。しかし、そんな微妙な心情の桜子の思いも知らず、罵声を浴びせる友人たち。桜子の去って行く後ろ姿が、その微妙な心情を映し出す。

結婚式の途中で、欧介の容体が悪化したらしいと聞き、いてもたってもいられなくなった桜子が教会を飛び出すシーン。

この辺りは、ダスティン・ホフマン主演の『卒業』のオマージュではないだろうか。

 

 

彼女は、どうやって教会を抜け出して来たのか記憶にない。

「大切なものを失うかもしれない」ということが頭を占め、気づいたら病院に向かって走っていた。その中で、今までの欧介との思い出がよみがってくる。

結婚式をおじゃんにして、何もかも無くなった桜子。

意を決して、自分の本当の気持ちを、欧介に伝えに行く。

しかし、そんな桜子の言葉に戸惑う欧介。

自分と付き合うより、東十条家に嫁いだ方が幸せだと思っているため、素直に桜子の気持ちを受け入れることができない。人生で初めて「失恋」というものを経験する桜子。

欧介は、教授の応援もあり、再び数学を志す。そして、彼の書いた論文が認められ、海外へ行くことが決まる。

その門出を祝うパーティーの一場面。

欧介の友人に煽られ、酔った桜子は、欧介に「この人は貧乏が趣味なのよ!」と罵声を浴びせる。前回、欧介が海外から逃げて帰って来た経緯を知っていたので、罵声を浴びせた最後に、欧介の胸ぐらを掴み、「今度こそ逃げるなよ!」と言い切り、眠りに落ちてしまう。桜子なりの、欧介に対してのエールだったのだろう。

酔ってしまった桜子を、おぶって帰る欧介。そして、二人と一緒に帰る若葉(演:矢田亜希子)。若葉は、欧介に対して淡い恋心を抱いている。しかし、数学に夢中になった欧介に、若葉の気持ちは見えない。

数学をもう一度頑張ろうと志したきっかけは、桜子に言われた一言。「結局、逃げて帰って来ただけなんじゃないの?」図星をつかれた欧介。逃げて来た自分の感情を向き合い、再度数学を志すことになる。「桜子さんといると、本当の自分を引き出してくれる気がするんです」そういう欧介に対して、「それって、桜子さんが好きってことですよ。ホント、欧介さんの恋愛とんまには困っちゃう」と、涙ながらに去って行く若葉。

・ 

失恋の痛手からか、自分の誕生日もすっかり忘れていた桜子。

欧介の友人夫婦、佐久間夫婦に呼び出されたと思ったら、誕生日を祝ってくれた。

「今まで何やってたんだろう、結局何も手に入れられなかった」ということに気づく桜子。「これでやっとわかったわ」というが、それに対して、「欧介くんも、桜子さんも、まだ何も始まってないじゃない」という佐久間妻。そして、欧介から届いたポストカードを渡す。いてもたってもいられなくなり、欧介の元へ飛び立つ桜子。

自分の家の近くのベンチに、桜子がいることに気づく欧介。

「大切なものが見つかりました。」と、欧介からもらった思い出のカメレオンを返す桜子。しかし、戸惑う欧介からはっきりした答えがもらえそうにないので、大きなキャリーケースを持って帰ろうとする桜子。

戸惑いの後で、桜子を呼び止める欧介。

僕はもう逃げません!

あなたが好きです!

たとえ明日、あなたの気持ちが変わったとしても・・・・

それに対して、

私には見えるんです。10年後も、20年後も、あなたのそばには私がいる。

残念ながら、あなたといると、私は幸せなんです! 

 

<観終わって>

 お金でしか男を見れなかった神野桜子。

純粋さ、優しさを併せ持つ中原欧介。

正反対の二人が触れ合って行くことで、お互いの本当の気持ちに気づいていく。

一番大切なものは、失いかけたときに気づくもの。

そして、失ってから気づくのでは、もう手遅れのこともある。

 

上記には書かなかったが、好きなシーンに、欧介に自分を連れ回させるところがある。

桜子は、欧介といるときに本当の自分になれていた。

一緒にやっすい居酒屋に行ったり、パチンコしたり、バッティングセンターに行ったり。

取り繕わない自分を出せること。それを受け入れてくれる相手であること。

このあたりは、大好きな『最後から二番目の恋』にも共通するテーマだ。

 

視聴率30%越えも納得の、素晴らしいドラマでした。