だーまんのブログ

平成生まれ・東大卒の不動産屋。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、ライフハック術、不動産のこと、受験についてなど、日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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【レビュー】『座頭市と用心棒』2大スターの共演が実現したシリーズ最大のヒット作

池袋の新文芸座で「三船敏郎特集」なるものがやっていたので、行ってきました。

f:id:yuhom:20180714180609j:plain土曜の午前中の回から観ようと少し早めに行きましたが、3階にある映画館から1階まですでに長蛇の列!!

当然、館内も満席。三船敏郎ファンの多さに驚きでした。

 

その中で、たまたまタイミングが合って観れたのが『座頭市と用心棒』

黒澤明の『用心棒』は観たことがありますが、『座頭市』シリーズは初。

既成概念がない分、新鮮な気分で鑑賞できました。

 

座頭市(勝新太郎)と用心棒(三船敏郎)の共演だけでなく、豪華な出演者や、複雑だがハラハラするストーリー展開と、個人的には面白い映画でしたので、ご紹介します。

 

『座頭市と用心棒』1分でわかる簡単なあらすじ

戦いに疲れた座頭市(勝新太郎)は、癒しを求め、3年前に訪れた村に立ち寄ります。

しかし、この3年ですっかり町は変わってしまいました。

飢饉の時に、里の防衛のために雇ったヤクザの小仏一家が、結果的に町を牛耳ることになってしまったからです。

 

また、座頭市はもう一つの目的がありました。

それは、梅乃(若尾文子)という女性です。

しかし、彼女は小仏家に多額の借金をしており、その返済のために身を粉にして働いています。

さらには、小仏側の用心棒をしている佐々(三船敏郎)に気があるようでした。

 

その後、犯罪歴があったことから座頭市は捕まってしまいますが、烏帽子屋の計らいで逮捕を取り下げてもらいます。

烏帽子屋は、実は小仏家の政五郎の父親。しかし、この親子は対立しており、その争いに巻き込まれて町は荒んでしまったのでした。

小仏側に用心棒・佐々がいることから、烏帽子屋は座頭市に用心棒になるよう依頼します。

こうして、「座頭市VS用心棒」の構図が出来上がります。

 

その後、烏帽子屋の次男・三右衛門が、父親を心配して九頭龍という殺し屋を町に派遣します。

実は、烏帽子屋と三右衛門は、共謀して金を横領していたのでした。

それを隠したい烏帽子屋と、その金を欲しい小仏家。

 

烏帽子屋が金を隠し持っていることを知った座頭市は、小仏側の用心棒佐々と結託して、両者を戦わせた上で、金を奪うという計画を企みますが・・・

 

レビューや率直な感想(ネタバレあり)

ここからは、率直に感じたことや面白かったポイントを紹介します。

なお、多少のネタバレは含みますので、まだ観ていない人はご注意ください!

勝新太郎と三船敏郎の圧倒的な存在感!

とにかく、主演2人の存在感がすごい。

顔だけがアップになるシーンが度々出てきますが、その表情が渋い。絵になります。

 

また、ただ歩いたり、寝そべっていたり、ご飯を食べていたり、誰かと会話していたり。所作一つ一つが、かっこいいのです。

刀を抜いて戦わずとも、十分すぎるほどの存在感があります。

 

それに加えて、2人とも決して完璧な役ではなく、どこか抜けています。

しかし、「やる時はやる」というオンオフの切り替えもあり、それが映画にいい緊張感をもたらしていると感じました。

 

特に、座頭市は普段ヘラヘラしていて、目が見えないのでスキだらけに見えますが、いざ戦いの場になるとさっとスイッチ入って、あっけなく相手を倒したりします。

そのギャップがかっこよくて、思わず惚れてしまいました。

 

この2大スターの共演を観れるだけでも、この映画の十分すぎる価値です。

ヒロイン役の梅乃が美しい! 

それに加えて、ヒロインの梅乃演じる若尾文子が妖艶で美しい。

ただ若いだけの娘キャラでなく、少し歳を重ね、年相応の悩みを抱えた大人の女性です。

想像以上に声が低くてびっくりしましたが、それがまた味があります。

 

主演の2人は彼女を巡って争い、それが物語の一つの大きな流れを作りますが、彼女はただ2人に流されるのではないのです。

ちゃんと駆け引きをする大人の女性。それでいて、たまに見せる甘えた顔。

 

主演の2人が彼女に振り回せるのも、納得です。笑  

ただ、登場人物も多く、ストーリーの理解が難しかった

彼ら3人以外にも、いい味出している登場人物がたくさんいます。

それはそれで映画の素晴らしさですが、 観ている側からすると、それが逆にちょっと混乱を招きました。

 

物語の大筋は、黒澤明監督の『用心棒』に似ています。

敵対する者同士を戦わせて、結果的に漁夫の利を得る。

そのために画策する座頭市と用心棒の戦いは、普通に面白かったです。

途中、烏帽子屋側についた座頭市が、「烏帽子屋が何か怪しい・・」と察する場面など、観ていてドキドキしました。

 

ただし、物語の大筋はわかるのですが、

●九頭龍という殺し屋が登場して、結果的に雇い主も殺してしまう

●人の良さそうな村長も、金隠しに加担していた・・?

●三船敏郎演じる用心棒も、金探しの隠密(スパイのようなもの)だったことがわかる

●座頭市と用心棒が、手を組んだり敵対したり

など、「誰がどっちの味方で、彼らの目的は何なのか?」が複雑で、途中から物語の筋を追うことばかり気にしてしまいました。

その上、当時の固有名詞(八州周り、大目付、隠密など)がよく分からず、ますます混乱するばかり。

 

そのへんがわかっていたら、きっと物語をもっと楽しめたのになーと少し残念でした。 

 

『座頭市と用心棒』を観ようか迷っている人へ

違う物語のヒーロー同士を共演させるのって、なかなか難しいと思うのです。

バットマン対スーパーマンとか。

ウルトラマン全員集合とか。

コナンと金田一少年の共演とか。

一見豪華そうに見えますが、その豪華さだけで終わってしまう場合が多いです。

 

どんな物語でも、確固たる主人公が存在して、その人物を中心に物語が展開していくのが基本。

これが主人公が2人いると、観る側もどっちの味方につけばいいのか迷いますし、2人を目立たせそうとして、かえって中途半端になります。

 

この物語でも、最後の最後で座頭市と用心棒は対決しますが、結局あっさり引き分けます。

このあたりが、ちょっと中途半端かなーと感じてしまいました。

 

そういう意味では、そもそもの映画のコンセプトからそこまで過大な期待はしてませんでしたが、

●座頭市というキャラクターに惚れた

●やっぱり、三船敏郎はかっこいい!

●ヒロインの梅乃が美しい!

●複雑だが、ハラハラする物語の展開

●時代劇特有のチャンバラは面白い

というところで、観る価値は十分ある作品でした。

 

これから観る人は、Wikiとかでちょっとあらすじを頭に入れておくといいかもしれません。

僕みたいに、昔の固有名詞よくわからなかったり、登場人物の多くて混乱したりすると、映画自体を楽しめなくなってしまいますので。

  

ところで、座頭市がかなり格好良かったので、僕はこれから座頭市シリーズを観ようと思います。 

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