だーまんのブログ

東京大学を経て、帰国子女にも関わらずドメスティックな不動産業界へ。人生で大切なことは全て本と映画から学ぶ。複数の収入源を持ちながら、海外との二重生活を目論む20代。本や映画のこと、節約術、不動産の話、受験のコツ、自己啓発など幅広く発信していきます。

【書評】『マイホーム価値革命』牧野知弘/「マイホーム信仰」は永遠なのか?

日本人にとても根強い「マイホーム信仰」

この本の著者は、日本人の「マイホーム信仰」の歴史を辿りながら、すでにそれは時代遅れの考え方だと言います。

 

 ボスティングコンサルティンググループを経て、三井不動産にて業界の内部に関わってきた著者の本から、「マイホーム信仰」の実態、そして未来について考えてみます。  

 

●マイホーム購入を考えている人

●すでにマイホームを持っていて、今後どうしていくか迷っている人

●近々、マイホームを相続する予定の人

は、ぜひ参考にしてみてください!

 

2022年を境に、不動産業界は大きく変遷します。

今から、準備をしておくことをオススメします。

 

日本人はいつから「家を買う」ようになったのか?

そもそも、日本人はいつから「家を買う」ようになったのでしょうか?

 

歴史の流れは、とても簡単です。

戦前、家は借りるのが当たり前でした。

そもそも、「家を所有する」という考え方がなかったのです。

 

その後、高度経済成長期に入ります。

地方から大量の人が東京・大阪・名古屋といった首都圏へやってきます。

当然、住む家が足りなくなります。

 

そこで、国が「日本住宅公団(現在の「独立行政法人都市再生機構」)」を設立、大量に住宅を作っていきます。

この時期にできたのが、多摩ニュータウンなどです。

 

この時に家を手に入れた人々は、「借りる」のではなく「所有」しました。

なぜでしょうか?

 

それは、国がたくさん家を作るには、多くのお金が必要だったから。

同じ時期に住宅ローンという仕組みを作り、家を買いやすい環境を整えます。

「人々が家を買ってくれたお金で、また次の住宅を作る」という循環を生み出すために、

マイホームを買ってもらおうと、仕組みを整えることになったのです。

 

国が大量に住宅を作るためには資金が必要であり、そのために「家を買う仕組み」を作ったのが、全ての始まりだったのです。

 

時代は変われど、「マイホーム信仰」だけは残った

経済が大きく成長する中で、都心部へ人はどんどんやってきます。

たくさん作っても、住宅はまだまだ足りません。

 

すると、どうなるか?

地価は大幅に上昇し、結果的に住宅価格も上がります。

すると、マイホームを持つだけで利益が出ます。

 

この時代にマイホームを買って、利益が出た人たちが作りあげたのが、「マイホーム信仰」だったのです。

 

しかし、価格の上昇はいつまでも続きません。 

平成バブルの時代を絶頂期に、バブル崩壊後、住宅価格は一気に下落。

バブル以後に住宅を買った人たちは、

資産であったはずのマイホームを手放そうにも住宅ローンの残債のほうが売却額よりも多く、引くに引けない状況に陥っています。

不動産が、“負”動産となってしまったのです。

 

バブル以前に家を買った人たちは、「マイホームを持つこと=資産になった」ほんの一部の人たちです。

しかし、彼らの信仰がそのまま時代を越えて、今も残り続けているのです。 

 

2022年以降、不動産業界に起こる革命とは?

不動産業界にとって、2022年は大きな転換点になると言われてます。

それはなぜでしょうか?

「生産緑地法の指定解除」が始まるからです。

 

これは簡単にいうと、

「土地を農地にしておくと、税金が安くなる制度がある。

しかし、その制度の期限が2022年に切れる」ということです。

税金がかかるようになるので、土地を持っている多くの人は、急いで手放すか、賃貸マンションにして活用するか、の2択になります。

 

東京だけで、ディズニーランドとディズニーシー合わせた面積の、33個分もの土地が該当すると言われています。

 

それだけの土地が出てくるということは、地価が大幅に下がる可能性があります。

また、賃貸マンションも大量に生まれる可能性もあります。

 

同時に、空き家問題も深刻です。

今後も、その数は増加し続けると言われています。

 

すると、

●地価が下がる=家の価格が落ちる

●賃貸マンションが増える=家を買ってくれる人が減る =買い手が減る=家の価格が落ちる

●空き家が増える=供給が増える=家の価格が落ちる

ということになります。

 

マイホームの価値が崩れていく中で、いよいよ「マイホーム信仰」が本格的に揺らぐときがくるのです。

 

マイホームを“消費する”から、“活用する”時代へ

本の最後に、著者は言います。

不動産は本来、ただ所有さえしていれば富になるというのは幻想です。

「マイホーム信仰」は、高度経済成長期において、一時的に家の需要が供給を圧倒的に上回った異常な時代に形成されたものです。

需要が供給を上回ることはないこれからの日本において、「マイホーム信仰」はとっくに時代遅れの考え方です。

 

マイホームを売るだけで、利益が出る時代は終わりました。

「マイホーム信仰」が崩れた今、一人一人が「マイホームを活用する」ことで、資産形成をする時代になると著者は言います。

不動産は活用することによって初めて富を生み出し、人々に「効用」を与えるものだからです。

不動産を所有して富をえている人は、すべからく不動産を活用する側に立っています。

そして、マイホームもまた、私たちが一生の間に手に入れる可能性がある不動産の一つです。

日本の不動産業界は、変化の時が迫っています。

日本の不動産業界は、長く住宅やオフィスをひたすら供給していくだけの「量的充足」を追求するだけのビジネスモデルでした。

・・・

ようやく、不動産業界も他の多くの業界と同じように、環境の変化に対応していかなくてはならなくなっています。

 

長くなるので具体的な方法は省きましたが、

これからは自分たち一人一人が、マイホームという不動産を「活用する」時代になっていきます。

●マイホーム購入を考えている人

●すでにマイホームを持っていて、今後どうしていくか迷っている人

●近々、マイホームを相続する予定の人

は、ぜひ本書をきっかけに、勉強してみてください!

 

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