だーまんのブログ

平成生まれ・東大卒の不動産屋。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、ライフハック術、不動産のこと、受験についてなど、日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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【批評】『隣人は静かに笑う』「優しい隣人が実は・・」予測不能な驚愕のラスト!

映画『隣人は静かに笑う』を観ました!

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ふとしたきっかけで、交流が始まった隣人一家。

平穏な日々が流れていく中で、ある日主人公は、隣人に小さな不審感を抱きます。

何もなければ消えていったはずの疑惑は、度重なる小さな疑いから、日に日に増していき・・・

 

後半の急展開と、あっと驚く結末に、途中から目が離せない傑作サスペンス映画です。 

それでは、『隣人は静かに笑う』をご紹介します!

 

 『隣人は静かに笑う』の簡単なあらすじ

主人公は、大学でテロリズムを教えるマイケル・ファラデイ。

彼は、ある日家の前で火傷を負っている少年を助けます。

少年は、隣人ラング家の息子、ブレディ・ラングでした。

 

その一件をきっかけに、それまで関わりのなかった隣人・ラング家との交流が始まります。

 

ある日、ラング家の主・オリヴァー・ラング宛の郵便物が、間違ってファラデー家のポストに届きます。

それは、ペンシルベニア大学の同窓会の手紙。

 

マイケルがオリヴァーに手紙を届けると、

「俺はカンザス大出身だから、何かの間違いだ」

と言って、手紙を捨ててしまいます。

 

その際、オリヴァーの書斎で、マイケルは1枚の図面を目にします。

オリヴァーは、その図面を

「現在設計を手がけているショッピングモールのものだ」

といいますが、

マイケルの目には、それはショッピングモールの図面には見えません。

 

なぜ、オリヴァーはそんなウソをついたのだろうか?

小さな、小さな疑惑が生まれます。

 

些細な疑問が残る中、再びマイケルたちの郵便受けに、オリヴァーに宛てたペンシルベニア大学からの手紙が届きます。

 

疑いを拭うため、思い切ってペンシルベニア大学に電話すると、

「オリヴァー・ラングという人物はすでに亡くなっている」との回答が。

 

さらに、カンザス大にも確認すると、

「オリヴァー・ラングという卒業生はいない」とのこと。

 

一体、どういうことなのか?

マイケルは、疑いを晴らすために、オリヴァーの身辺について探っていくが・・・

 

映画の見所と感想!(※ネタバレ注意)

ここからは、映画の見所と感想について書いていきます。

物語の核心には触れませんが、多少のネタバレは含むので、まだ観ていない人はご注意ください!

疑惑の始まりは、子供の火傷と、1通の手紙

この映画は、冒頭がすごいです。

 

おどろおどろしい音楽の中、手から血が滴っている少年がいます。

彼の目は虚ろで、今にも倒れそう。

1歩1歩、ゾンビのように、ゆっくりと歩いてます。

 

そして、バタンと、地面に倒れます。

彼の手は、血でただれてしまっています・・・

 

訳のわからなさと、怖い映像と音楽で、いきなり度肝抜かれます。

 

少年は、友達と火遊びをしていて、火傷を負ったということがわかります。

しかし、

「たかが子供の火遊びで、あそこまで大火傷するだろうか・・?」

 

観客は、この疑問がずっと頭から離れません。

そして、その疑問の答えは、後々明らかになっていきます。

 

子供の火傷をきっかけに、隣人ラング家との交流が始まります。

そして、マイケルの元に届いた、宛先の間違った1通の手紙。

なぜか、「ショッピングモール」とウソをついた謎の図面。

そして、再び間違って届く手紙。

 

ここまできて、さすがに何かあると確信するマイケル。

観ている僕たちも、答えが気になって仕方ありません。

 

冒頭の短い時間で、観ている僕たちを引き込んでしまうこのスピード感と演出は、圧巻です。 

事件の真相とは一体・・・?予測不能な驚愕のラスト

この映画が「サスペンス映画としてうまいなー」と感じた、2つのポイントがあります。

 

1点目は、

隣人オリヴァー・ラングについての疑いが、一度晴れること。

 

 彼の過去について調べていくうちに、

・オリヴァーはかつて、ウィリアム・フェニモアという名前だった

・16歳の時に、爆弾事件の容疑者として捕まっていた

・オリヴァー・ラングは、亡くなった同級生の名前である

 という事実がつ明らかになります。

 

マイケルが、自分の過去について調べていると知ったオリヴァー。

「過去がなんだ?!」

「せっかく仲良くなれたと思ったのに!」

「文句があるなら、正面から直接かかってこい!いつでも正々堂々待っている!」

と、激怒します。

 

友人の本気の怒りを見て、マイケルの中で、友人に対する疑いが一度晴れます。

彼は、オリヴァーに疑った事を謝ります。

 

2点目は、

本当の真相が、映画の最後までわからないこと。

 

その理由は、「信用できない語り手」です。

古くは、アガサ・クリスティの『アクロイド殺人事件』に代表される手法です。

 

「語り手が、真実を語っているとは限らない」というもの。

 

この映画では、唯一まともで、観客も応援しているはずの主人公マイケル。

宿敵・オリヴァーをやっつけようと頑張っているはずのマイケルですが、

途中から、彼が狂気に満ちた人物に見えてくるのです。

 

隣人オリヴァーは、確かに怪しいです。

というより、実際に何か計画をしています。

爆弾と思われるモノを、こっそり運んだりしています。

 

しかし、マイケルの恋人も、彼の周りの人も、誰も彼の証言を信じてくれません。

 

そのうち、マイケルの恋人は何者かに殺され、息子も人質に取られてしまいます。

 

しびれを切らしたマイケルは、親友のFBI捜査官ウィットに相談しますが、

ウッィトは、マイケルの被害妄想だと一蹴します。

 

映画を観ている僕たち(=マイケルの視点)からすると、 

「何を言っているんだ!」と、ウィットにイライラします。

 

孤立無援のマイケルを見て、自然と彼を応援してしまいます。

 

しかし、映画を観ているうちに、少しずつ混乱してきます。

それは、

「マイケル自身が、本当に真実を見ているのだろうか?」」

という疑問が浮かんでくるからです。

 

隣人が、実際に爆弾を作ったり、運んでいる確信的なシーンはありません。

恋人ブルックの死についても、故意なのか事故なのか、明確には示されません。

 

物語が進むにつれて、マイケルがあまりに狂気的になっていくので、

何が本当なのかわからなくなってきます。

 

実は、全て彼の妄想なのではないか?

ヒーロー気取りしたい、妄想癖の男なのでは?

そんな、「信用できない語り手」的な要素が加わってきます。

 

隣人は、本当に悪なのでしょうか?

或いは、全てマイケルの被害妄想なのか? 

 

最後の最後に明らかになる答えには、驚きを隠せませんでした。

不気味な隣人の描き方が絶妙!

この映画、原題は『Arington Road』

これを『隣人は静かに笑う』と訳した邦題は、かなり秀逸です。

 

タイトルになっているラング一家。

彼ら家族は、本音が全く読めません。

夫オリヴァー、妻シェリルだけでなく、子供達も表情が不気味です。

 

笑っているようで、共感しているようで、

ふと見せる真顔や、鋭い目つき。

 

ラング一家に隠れて、マイケルや恋人ブルックが彼らのことを探ろうとすると、

こちらの動きをお見通しかと思うくらい、イヤ〜なタイミングでばったり遭遇したりします。

 

彼らの家も、やけに不気味です。

重々しく、影があり、まるで冷たい意思を持った機械のよう。

冷たい家の描写が、ラング家の怖さを助長しています。

 

彼らの本音は、直接的な形では、最後の最後まで見えません。

「彼らは一体何者で、何を考えているのだろうか?!」

その疑問が映画を通して、ずーっと観ている人に緊迫感を与えます。

  

『隣人は静かに笑う』に一言!

この映画の結末は、驚愕です。

最後のアクションシーン含め、家で観ながら何度も声をあげてました。

「ウソ!マジ?!そうくるの?!エエエエ?!!!」

という感じです。

 

絶対に、ネタバレせずに観てください。

観終わった後に、色々と考えたくなる物語です。

 

大どんでん返しのサスペンス映画が好きな人は、ぜひ観てみてください!  

 

併せて読みたい!

ラストがどんでん返しの映画について書いた記事を、3つほどご紹介します。

映画『女神の見えざる手』

敏腕ロビイスト(政治家に対して働きかけて、法案を通す人)である主人公が、敵対する陣営と、しのぎを削りあう頭脳戦。

思わずスタンディング・オベーションしたくなるラストです。 

映画『パーフェクト・ルーム』

大どんでん返しのラストといったらコレ。

5人の友人たちで、愛人との密会用に借りたマンションの一室。

ある日、そこで見知らぬ女性が殺されている。

5人しか入れないはずのその部屋で、一体何があったのか?裏切り者は誰だ? 

観終わった後に、もう一回観たくなる作品です。

映画『ゼロの焦点』

松本清張の原作小説を映画化した本作品。

新妻・禎子の夫・鵜原憲一が、仕事の引き継ぎにと金沢へ旅立ち、そのまま行方不明となります。

憲一を探すため、金沢へ向かった禎子が見出した真実とは・・?