だまん氏のブログ

元不動産屋→現・外資コンサル。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、仕事について、など日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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【レビュー】『メリー・ポピンズ』名曲揃い!楽しい気持ちになれるディズニー制作のミュージカル映画

「午前十時の映画祭」で、『メリー・ポピンズ』を観てきました!

 


Julie Andrews - MARY POPPINS / メリー・ポピンズ 1964

 

映画を知らない人でも、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」「チム・チム・チェリー」など、曲は聞いたことがあるはず。 

 

イギリスの児童文学を原作に、ウォルト・ディズニーが製作した本作品。

平日の午前中にもかかわらず、映画館はほぼ満席・・・

 

観ている人を楽しい気分にさせてくれるだけでなく、色々と考えさせられるメッセージ性もあります。

それでは、映画『メリー・ポピンズ』をご紹介します!

  

1分でわかる!『メリー・ポピンズ』のあらすじ(ネタバレなし)

物語の舞台は、1910年代のロンドン。

バンクス一家の主、ジョージ・バンクスは厳格な銀行家。

妻と2人の子供、そして家政婦とコックと暮らしています。

父は仕事で忙しく、母は女性の参政権のための活動で忙しく、子供達の面倒はナニーが見ています。

 

成長盛りの2人の子供、姉のジェーンと弟のマイケルは、ナニーの言うことを聞きません。

新しいナニーを採用しても、すぐにやめてしまいます。

困った父親は、タイムズ紙にナニー募集の広告を出そうとします。

その時、子供達も「こんなナニーがいい!」という広告文を作り、父親に見せます。

しかし、それを一蹴した父親は、その紙を破って暖炉に捨ててしまいます。

 

その紙は、なぜか暖炉から空に舞い上がり、メリー・ポピンズの手元に届きます。

そして、子供達の書いた文章を読んだメリー・ポピンズは、バンクス家のメイドして面接にやってきます。

彼女の言葉に圧倒された面接官である父親は、あっさり彼女をメイドとして採用。

 

そこから、バンクス家とメリー・ポピンズの不思議な日々が始まります。 

 

『メリー・ポピンズ』の感想やレビューなど(ネタバレあり!)

ここからは、映画を観た率直な感想や、思ったことを書いていきます。

極力避けますが、多少ネタバレは含みますので、また観ていない人はご注意ください! 

誰もが知っている名曲のオンパレード!

観終わった感想は、「とにかく名曲のオンパレードだった!」ということ。

誰もが一度は聞いたことがある曲ばかりで、映画を観ながら思わず口ずさみたくなりました。

 

劇中、何度も流れる 「お砂糖ひとさじで(“A Spoonful of Sugar”)」


Mary Poppins - A Spoon Full of Sugar with lyrics

 

世界一長い単語、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(“Supercalifragisticexpialidocious”)」


Mary Poppins - Supercalifragilisticexpialidocious

 

煙突掃除屋たちの歌である「チム・チム・チェリー(“Chim Chim Cher-ee”)」


Mary Poppins - Chim Chim Cher-ee

 

 映画館で音楽を聞いているだけで、一緒に歌い出したい気分になりました。

ミュージカル映画の醍醐味ですね。 

ポピンズの魔法・実写とアニメの融合など、映像技術が面白い!

映画の中では、様々な映像表現が使われています。

今となってはCGが当たり前ですが、本作品が作られた1965年には、おそらく画期的な手法だったのではないかと思います。

「これは一体どうやって撮ったのだろう?」と、好奇心を刺激されまくりでした。

 

たとえば、

●メリー・ポピンズが指を弾くだけで、勝手に部屋の散らかっているおもちゃが片付いていく

●笑いすぎると、宙に浮いてしまう

●メリー・ポピンズが傘を指して、空に帰って行く

というシーンなど。

 

また、アニメの世界に入っていくシーンがあります。

アニメの映像に、メリー・ポピンズらが溶け込むのです。

動物と会話したり、彼らと一緒に触れ合ったり。

今観ると多少の手作り感はありますが、おそらく当時としてはかなり画期的だったのでしょう。

「人生で大切なものは何だろう?」意外と深いメッセージ

メリー・ポピンズの登場によって、ギクシャクしていたバンクス一家は変わります。

家の中には笑顔がもたらされ、子供たちが楽しそうなのはもちろんのこと、仲の悪かったメイドと家政婦も仲良くなります。

 

最後までメリーポピンズに嫌悪感を示していたのは、厳格な父親でした。

彼は仕事に没頭するあまり、家庭をないがしろにし、子供達のことを見ていませんでした。

メリーポピンズにそのことを気付かされた彼は、自分の過ちに気づき改心します。

 

ここで、密かに活躍するのがメリー・ポピンズの相方役バート。

バートは大道芸をやったり、絵を描いたり、時には煙突掃除をしたり、いろんな顔を持っています。

どうやら、メリー・ポピンズとバートは、旧知の仲のよう。

 

父親を怖がる子供達に対して、父親は厳しい環境で日々戦っており、頼る人がおらず、本当は孤独なのだと伝えたり。

メリー・ポピンズに嫌悪感を示す父親に対して、「本当に大切なものを見失ってませんか?」と諭したり。

 

バート、かなりいい役してますね。笑

 

父親は銀行をクビになりますが、大切なものに気づいた彼は、もはや開き直ってます。

いつもは厳格だった彼ですが、帽子には穴が空き、服もボロボロ。

しかし、これまで見せたことのないような満面の笑みで、銀行を去って行きます。

この父親の姿は、「大切なのは外見や体裁でなく、心の中にあるもの」と言っているようでした。

 

改心した父親は、無職になりましたが、奥さんと子供達と公園で楽しそうに凧揚げをします。

初めて見せる家族の共同作業に、心を打たれました。

 

(ちなみに、父親は最後はきちんと銀行に復職する、というハッピーエンドで締めくくられます)

最後に見せるメリー・ポピンズの素顔に、不覚にも涙しそうに!

メリー・ポピンズは、あまり自分の感情を表に出しません。

もちろん、バートに綺麗だと言われて喜ぶ、というシーンはあります。

しかし、子供達に「大好きだよー!」と言ったりするシーンはなく、彼女が子供達のことをどう思っているのか、ハッキリとはわかりません。

 

町に流れる風向きが変わって、彼女が去ることになっても、「私は何人もの子供達の相手をしてきたのだから」と、やたらとそっけない。

 

しかし、最後の最後で、彼女の心境が明かされる場面があります。

子供達が公園へ凧揚げしに行くのを見送っているときに、「しゃべる傘の柄(オウム?)」が、彼女の気持ちを代弁します。

「あなたが本当は子供達のことをどう思っているのか、痛いほどわかるよ」

 ー映画『メリー・ポピンズ』より(翻訳は筆者による)

そのまま続けようとするオウムの口をふさぎ、

「もう十分よ。ありがとう。」

 ー映画『メリー・ポピンズ』より(翻訳は筆者による)

 と、メリー・ポピンズはオウムの言葉を遮ります。

 

最後に子供達のことを見て、自分に言い聞かせるように短く頷き、傘をさして去って行きます。

その表情が、今にも泣き出しそうなのを堪えているようで、本当に切ない・・・

 

子供達のことを大好きだからこそ、別れが辛くならないように、あえて気丈に振舞っていた彼女。

その心境がひしひしと伝わってきて、不覚にも泣きそうになりました。   

『メリー・ポピンズ』を観ようか迷っている人へ

音楽と映像が楽しく、ほっこりする温かい映画です。

特に、アニメの世界に入って行くところはディズニーっぽい要素もあり、動物たちが歌ったり、一緒になってふざけあったり、かなり愉快です。

また、音楽を聞くだけでも、楽しい気持ちになれますね。

 

ただ楽しいだけでなく、バンクス一家の成長を通して、「人生で大切なものは何だろうか?」と、考えさせてくれます。

 

ただし、よくも悪くもディズニー制作の映画。

ある程度物語が予測できてしまうこと、そして全てがハッピーエンドに行き着くところに、物足りなさを感じる人もいるかもしれません。

 

だからといって、映画の楽しさは揺るぎません。

愉快な音楽と映像に触れ合って、楽しい気持ちになりたい人には、ぜひオススメの1作です!

 

アマゾンプライム会員であれば、199円で視聴できます。 

  

また、31日間無料トライアルできるU-NEXTからも視聴できます。

  

あわせて観たい!

 『メリー・ポピンズ』が好きな人には、こちらもオススメ!

『雨に唄えば』

「午前十時の映画祭」の企画で、『メリー・ポピンズ』と同時上映だったのがこちらの作品。

サイレントからトーキーへと、映画の主流が移り変わる時代を生き抜く俳優たちを描いた作品です。

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『マスク』

マスクをつけることで、別人に生まれ変わる力を手にしたジム・キャリー演じる主人公。

楽しい音楽だけでなく、マスク男の動きを表現した映像技術も面白く、観ていて楽しくなる作品です。 

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