だまん氏のブログ

元不動産屋→現・外資コンサル。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、仕事について、など日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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『「やりがいのある仕事」という幻想』森博嗣/仕事に「やりがい」は必要か?

「人は、仕事をするために生きているのではない。」

転職活動の中で、仕事についてお腹が痛くなるくらい悩んだ時に、たまたま手にした1冊です。

 

「仕事って、何だろう?働くって、何だろう?」

ふと立ち止まった時に、考えてしまう疑問です。

 

作者は、「仕事の目的は、お金を稼ぐことである」と言い切ります。

 

この記事は、

●就活中で、仕事選びに悩んでいる人

●社会人を数年経験して、改めて仕事について悩み始めた人

に向けて書きました。

 

ぜひ、参考にしてみてください! 

 

30秒でわかるこの本の要約

1日に1時間しか仕事をせず、残りの時間は趣味の模型作りに没頭する作家・森博嗣さん。

就活がうまくいかず、自殺する学生が増えてることを受けて、仕事で悩む全ての人に向けて書いたエッセイです。

 

●仕事の目的とは?

●「みんなが知っている良い会社」に入ることは大事なのか?

●働かないことは罪なのか?

●仕事に、やりがいは必要なのか?

 

こういった疑問に答える彼の結論は、とてもシンプルです。

 

「仕事は、あくまでお金を稼ぐ手段。

そこに“楽しさ”や“やりがい”は必要ない。

稼いだお金で、自分がやりたいこと、楽しいと感じることをやればいい」

 

仕事との向き合い方に対して、新しい価値観を与えてくれる1冊です。

 

人は、働くために生きているのではない

 本の冒頭で、彼の仕事に対する考え方が書かれています。

僕の仕事に対する第一原理というのは、これまで幾度も書いているが、つまり、「人は働くために生きているのではない」ということだ。

「働きたくなかったら、べつに働かなくてもいいんじゃないか」というのが僕の基本的な立場である。

仕事というものは、今どんな服を着ているのか、というのと同じくらい、人間の本質ではない。

そもそも、就職しなければならない、というのも幻想だ。人は働くために生まれてきたのではない。どちらかというと、働かない方が良い状態だ。働かない方が楽しいし、疲れないし、健康的だ。

・・・

ただ一点だけ、お金が稼げないという問題があるだけだ。

 

彼が仕事をする理由は単純です。

 

●生活をするためには、お金が必要である。

●自分がやりたいことを叶えるには、お金が必要である。

 

つまり、

仕事の目的は金を稼ぐことである。

そして、もしそうだとすると、

生きていくには、「働くことが一番簡単な道」なのである。

 

お金をもっと稼ぐために、小説を書き始めた

彼は、元々は大学の研究者でした。

1日16時間働くも、残業代も出ず、休みもない。

 

その中で、小さい頃の夢があり、それを叶えるためにお金が必要になります。

もっとお金を稼ぐために、“たまたま”小説を書き始めます。

 

それがヒットしたおかげで、一生食うに困らないお金と、趣味に費やすお金を得ることができたそうです。

 

しかし、小説家になった今でも、

目の前にあるもので、自分が金を稼げそうなことに手を出しただけである。

僕は小説を書くことが今でも好きではない。

 

彼の仕事に対するスタンスは、気持ちいくらいにシンプルです。

 

自分がやりたいことのために、今の仕事だけではお金が足りない。

より多くのお金を稼ぐための手段として、新しい仕事を始めたにすぎないのです。

 

仕事に「やりがい」を求めてすぎていませんか?

森博嗣さんは、人々が仕事に「やりがい」を求めていることに対して、疑問を投げかけます。

なんとなく、意味もわからず、「仕事にやりがいを見つける生き方は素晴らしい」という言葉を、多くの人たちが、理想や精神だと勘違いしてる。

それは、ほとんどどこかの企業のコマーシャルの文句にすぎない。

そんな下らないものに取り憑かれていることに気づき、もっと崇高な精神を、自分に対して掲げてほしい。

それは、「人間の価値はそんなことで決まるものではない」という、とても単純で常識的な原則である。

 

ある経営者に聞いた話です。

「ブラック企業ほど、“やりがい”を大々的に打ち出す。

“やりがいがある”と思わせるだけで、社員は喜んでタダ働きをしてくれるからだ。

“やりがい”なんて、何の実体もないのに。」

 

「やりがい」を求めすぎて、疲弊してませんか?

 

それなら、「仕事はお金を稼ぐ手段」と割り切る。

そして、稼いだお金で自分がやりたいことをやる。

そんな生き方のほうが、きっと人生は充実します。

  

自分が納得できる人生を歩むこと

「仕事はお金を稼ぐ手段であり、そこに“やりがい”は必要ない」

極端な意見かもしれませんが、僕はこの言葉でかなり救われました。

 

自分が楽しいと思えること。

自分が幸せだと思えること。

他の誰かの価値観ではなく、自分が納得できる生き方を選ぶこと。

それが一番大事なのだと、再認識できました。

 

この記事の最後に、森博嗣さんの言葉で締めくくります。

結局のところ、「どうだっていいじゃん」と自分に言ってあげられる人が、一人前の立派な社会人になれるのではないか。

「元気なんか無理に出さなくても良いから、ちょっと元気のある振りをして、ちょっと笑っている振りをして、嫌々でも良いから仕事をしてみたら?

それで金を稼いで、あとでその金を好きなことに使えばいい。それが君の人生かも。

 

僕と同じように、仕事に悩んでいる人はぜひ手にとってみてください!

 

1冊すべてでなくてもいいです。

●はじめに:約15ページ

●第1章「仕事への大いなる勘違い」:約31ページ

●第5章「人生と仕事の関係」:約34ページ

ここだけでも、さらっと読んでみてください。

 

仕事で悩むあなたの肩の荷を、そっと軽くしてくれます。

 

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