だまん氏のブログ

元不動産屋→現・外資コンサル。人生の先生は本と映画。面白かった本や映画、仕事について、など日々思ったことを好き勝手に書いていきます。

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【書評・解説】『財務3表実践活用法』経営者の視点が身につく1冊!

『財務3表〜』シリーズ3作目、『財務3表実践活用法』をご紹介します。

 

「会計の素人でも、会計が分かるようになる!」がコンセプトの本シリーズ。

かくいう著者自身も、元々は会計素人だったのです(会計士でもありません)

 

1作目『財務3表一体理解法』では、初心者でも簡単に、

「財務3表とは何か?」「PL/BS/CFはどう繋がっているのか?」を学べます。

www.daaman-blog.com

 

 

2作目『財務3表図解分析法』では、財務諸表を図解することで、

素人でも、企業の財務3表を分析できるようになります。

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そして、3作目となるのが本書『財務3表実践活用法』

 「財務3表を分析をした上で、具体的にどう経営の改善していくのか?」

を学べる1冊。

 

つまり、会計の知識を実務レベルで活かすことが目的です。

 

もう少し具体的に言うと、以下のことを学べます。

・財務3表分析を通して、どのように経営の改善を行なっていくか?

・企業活動の中で、なぜ「キャッシュ」が大事なのか?

・経営者は、「売上と利益」ではなく、なぜ「投資とリターン」を見るのか?

 

これらは、「経営者の視点」です。

本書を読むことによって、経営者側の考え方が分かるようになるのです。

 

それでは、『財務3表実践活用法』をご紹介します!

 

 『財務3表実践活用法』はどんな本か?

本書は、

・『財務3表一体理解法』

・『財務3表図解分析法』

に続く3作目になります。

 

1作目で、「財務3表とはそもそも何か?」を学び、

2作目で、「具体的に、財務3表をどう分析していくのか?」を学びました。

3作目の本書は、

「分析した上で、具体的にどう経営の改善を図っていくか?」

を学ぶ1冊です。

 

本書の目的は、ずばり

経営と会計をつなげること

になります。

 

以下、簡単に各章の内容をご紹介します。

第1章 会計を通して、ビジネス全体を俯瞰しコントロールする

この章では、 

・財務3表を通して、ビジネス全体を俯瞰する

・具体的に事業再生案を見出し、財務諸表でシミュレーションする

・予算策定の具体的方法

について学びます。

 

あくまで簡易的な実例を使い、基本的な考え方を学べます。

実践で使うためには、この考え方をベースに、

自身で試行錯誤を繰り返すことが大事です。

 

なお、本章で登場した事業シミュレーションを、

Excel上で具体的に行うには、こちらの本が大変役に立ちます。

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モルガン・スタンレーのExcelフォーマットを作成した著者による、

かなり具体的な、実務レベルで使える財務モデルの作成方法を学べます。

第2章 利益と現金の違いを知る

この章では、「キャッシュの重要性」について学びます。

企業活動を行なっていく上で、「キャッシュ」は最重要事項です。

 

僕も最初、「利益」と「キャッシュ」の違いがよく分かっていませんでした。

「黒字倒産って、ちゃんと利益出ているのに、なんで倒産するの?」というレベル。

 

利益がマイナスでも、謎のパトロンがお金を与え続けてくれれば、企業は倒産しません。

しかし、いくら利益が黒字でも、明日支払うべき現金がなければ、会社はすぐに倒産です。

「キャッシュ」こそが会社の命運を握るのです。

 

売上を拡大した結果、逆にキャッシュがショートする場合もあります。

 

オリンパスの粉飾の具体例も参考にしながら、

企業の存続における、キャッシュの重要性を学びます。

第3章 世の中は「投資」と「リターン」で回っている

 一般的に、会社員は「売上」と「利益」しか見てません。

しかし、経営者は「投資」と「リターン」を見ています。

 

企業が投資を行う際も、その投資をするか否かは、

「利益」ではなく「リターン」で考えます。

 

本章では、2つの違いと、なぜ「投資」と「リターン」が重要なのかを学びます。

 

ものすごく簡単な例でいくと、

・A:明日、利益1万円を生む投資案件

・B:30日後に、利益1万円を生む投資案件

があったとします。

 

利益だけ見ると、どちらも同じです。

 

しかし、明日生まれた1万円を投資に回せば、そこで利益を生むことができます。

その結果、生まれた利益分だけ、Aの方がプラスになります。

 

そのような発想から、企業はA事業に投資しようとなるわけです。

 

『財務3表実践活用法』のポイント!

「机上の学び」から「実践」への橋渡しの1冊

本書で、いよいよ実務への繋がりが見えます。

 

これまでで、財務諸表の読み方が分かり、企業の財務状態を分析できるようになりました。

しかし、学んだのはあくまで知識です。

「で、どうすればいいの?」となってしまいます。

 

それを、本書が実務のレベルに繋げてくれます。

 

明日から、自分の会社の財務諸表を分析して、

・今後5年の将来予測を立ててみる

・現状の改善案を考えてみる

ということが、できるようになるのです。

(多少の訓練は必要ですが・・)

 

机上で学んだ知識を、本書を通して実務レベルに落とせるようになります!

「経営者」の視点を養うことができる!

繰り返しになりますが、本書の目的は

「会計と経営を繋げること」

です。

 

会社の一担当者は、ここまで詳しいことを知っている必要はないかもしれません。

かくいう僕も、営業時代はひたすら「売上」と「利益」だけ追求していました。

「投資とリターン」を考えたり、事業全体を俯瞰することは、ほとんどありませんでした。

 

それだけでも、出世できしまうのも確かです。

 

しかし、著者は「会計の知識がない日本のビジネスマン」に対して、

大きな危機感を抱いています。

 

ここで、本書の「はじめに」にある、著者の言葉をご紹介します。

日本のビジネスエリートと海外のビジネスエリートを比較した時、

両者の会計分野における知識量の差は歴然とします。

日本人は大卒一律採用で、サラリーマン人生の大半を「売上」と「利益」にしか責任を持たない育ち方をします。

ところが海外のビジネスエリートは採用の時から経営者予備軍として扱われますから、常に事業全体を視野に入れて仕事をします。

そして、最後にこう言います。

今後、日本のビジネスパーソンも会計の知識がないと世界で太刀打ちできないでしょう。  

 

今や、誰もが経営者の視点を持つ必要に迫られています。

そのために「会計の知識」は必須です。

 

本書は、まさに経営者の視点を学べる1冊なのです。

 

最後に一言!

本シリーズ3冊を読み終えた今、思うことは1つです。

「もっと早くに、読んでおけばよかった!!!」

 

難しいと勝手に思い、敬遠してきた「会計」の分野。

最初は、

「BSって何?PLと何が違うの?なんでCSって2つもあるの?」

という、ド素人よりもひどいレベルでした。

 

それが、本シリーズを読み終えた今、

・財務諸表の見方がわかる

・企業の状態や変化を、図解分析することで把握できるようになる

・財務諸表を元に、財務モデルを組んで将来予測ができるようになる

 というレベルまで、進化を遂げることができました。

 

今まで見えていたものが、全体の一部にすぎないことに気づけました。

「これを知らずに、よく仕事をしていたな」と感じます。

  

今や、「会計」の知識は社会人の標準装備です。

3作目の本書を読むと、その理由がよく分かります。

同じ景色を見ても、全く違った景色が見えるのです。

 

ぜひ本書を通して、「俯瞰した経営者の視点」を身につけてください!

 

 

併せて読みたい!

 この記事で紹介した作品の、前作と前々作についての記事はこちら⬇︎

 

1作目『財務3表一体理解法』

www.daaman-blog.com

 

2作目『財務3表図解分析法』

www.daaman-blog.com

 

 

そもそも「会計学とは一体何か?」という点を、

日常の身近な疑問から、丁寧に紐解いてくれる1冊。 

www.daaman-blog.com

 

 

 本書の中に出てくる財務シミュレーションについて、超具体的に解説している1冊。

一緒に作っていくことで、誰でも財務モデルが組めるようになります。

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